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任務に大きな進展があったあの日から、2週間ほど経った頃だろうか。
Aは昼食を食べ終え、人の少ない廊下で電話をしていた。
その相手は呪術高専1年の3人と1匹だ。
「おー、交流会はこっちの圧勝。憂太が殆ど蹴散らしちまった。」
「そーそー、あの時のユウタ凄かったぞ〜。」
「しゃけしゃけ!」
「えぇ・・・そうかなぁ?」
わちゃわちゃし始める1年生達だったが、ふと真希がAに問いかけた。
「そっちはどーなんだよ?なんか進展あったか?」
その言葉に、Aはぅーんと唸った。正直言って、あの日からそれらしい進展は無かった。
五条に相談するのも「グラウンド全部掘ってみたら?」というアドバイスしか収穫はなかった。五条はAにモグラになれとでも言っているのだろうか。
Aは正直に「なんもない」と答える。そして、その後に続けた。
「でも、生活を快適にするって面で収穫はあった。」
「「?」」
Aが思い出すように言うと、後輩達は揃って首を捻る。Aはつい昨日のことを4人に語り出した。
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昨日、高校全体で学年別のレクリエーションが行われた。
種目はドッジボールで、男女別にトーナメント形式で行うことになっていた。チームはクラス別だ。
そして、Aは見事自分に嫌味を言ってくる女子達を率いているボス女子、天王寺 姫華と共にドッジボールをすることになってしまったのである。波乱の予感しかしないが意外にもAのチームは次々と勝ち進んで行った。
補足すると、試合中Aは基本ボールを投げることをしない。理由はお分かりの通り、加減をミスると死者が出るからだ。
まあ、この試合でもAはボール避けに徹していた。
相手からすればどれだけ狙っても避けてくるとんでもない奴という認識だったが、Aはそれを知らない。
一方天王寺はと言うと、持ち前のスポーツセンスで次々と相手チームの人間を当てていた。
「(アイツは避けてばっかだし・・・。ここで私が良いところを見せて、アイツより私の方が凄いって玲王に振り向いてもらうのよ・・・!!)」
天王寺はそう意気込み、ボールを投げる。しかしそれは相手チームの女子に奪われてしまった。
相手チームの女子がボール投げる動作を行う。その時、味方の女子が天王寺の方へと走って来た。
天王寺は今相手の女子が投げようとしている方向とは逆側にいた。
「(相手の女子が見えない・・・!)」
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raiz(プロフ) - 六花さん» コメントありがとうございます、こっちにもコメントしてくださってたんですね・・・!小説に散りばめたギャグ要素がちゃんと機能しているか心配だったのですが、そう言って頂けると自信が持てます!これからも頑張りますね!! (2023年2月27日 22時) (レス) id: 1861dc87f7 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - 初コメ失礼します、最近読み始めた者です!音のソノ○ティにツボって先に進めません!更新頑張って下さい! (2023年2月26日 11時) (レス) @page25 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - ずんだ餅さん» コメントありがとうございます、その一言で救われます・・・!!続編移行までまだ掛かりそうですが、気長に待って頂けると幸いです!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - アルです!\(●°ω°●)/さん» 2度目のコメントありがとうございます、続編移行までまだかかりそうな上、新しい小説が出せるのはもっと先になってしまいそうですが今後ともよろしくお願いします!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - おもしろかったです✨続編待っときますね!(*`▽´*) (2023年2月22日 17時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:raiz | 作成日時:2023年2月7日 22時