19. ページ19
.
･･･そう思ったのが十数分前｡
「もう真っ暗だし、送ってくぞ？」
Aは2人と校門を出たあとこっそり学校に戻ろうと思っていたのだが、御影に送られてしまえば戻るのが面倒になってしまう｡
Aはやんわりと断ったのだが、御影が食い下がってくる｡
結果、Aは今日グラウンドの調査を行うことを諦めた｡どうせ今日でなくとも調査は行えるのだ｡生き急ぐ必要は無い。
それに、先程御影達に質問が出来なかった｡これをその機会だと思えば、2人が何も知らなくても十分進展があったと言えるだろう｡
「･･･へ、これレオのクルマ･･･？？」
Aは道を曲がるとき曲がりにくそうだという長さのリムジンを前にあんぐりと口を開けた｡
御影が「迎えがくるから」と校門で待つように言ったため3人で待機していたのだが、迎えがリムジンで、さらにそれの運転手が魔女のような風貌の老女だとは流石にAも予想していなかった｡
「恐るべしオンゾーシ･･･｡」
ちなみに、Aは御影から御曹司の意味を教えて貰えなかった｡どうして教えてくれないのだと聞いたところ、「知らないままでいい」と｡ググろうかとも思ったAだが、御影に「知らないままでいい(2回目)」と念を押されたので、大人しく知的好奇心を抹消することにした｡
「ふぃ〜、快適｡」
凪がシートに体を預ける｡Aもそれに倣ってシートにちょこんと腰掛けた｡
乗ったことのないような車だから落ち着かない｡しかし、そんなAとは裏腹に凪は寛ぎまくっていた｡
「･･･あ、そうそう｡なんか今日ずっと気になってたんだけどさ、レオもAも急にお互いのこと名前呼びになった？」
「･･･？うん｡」
「おう｡」
凪との付き合いの長い御影は、この後に凪が何を言うのかわかったような気がした｡そして、それは見事に的中する｡
「えー、レオだけずるーい｡俺のことも名前呼びして｡」
「え〜･･･｡」
「やっぱりな･･･｡」
御影は予想通りだったと呆れた顔を見せ、Aは少し凪の言葉に渋った｡理由は簡単、「凪」は2文字で「誠士郎」は5文字で呼ぶ時長いからだ｡
「･･･あ、じゃあ次私がする質問に答えてくれたら呼ぶ｡長いからあだ名っぽくしてもいい？」
「いーよ｡でも万年寝太郎とかはナシね｡」
凪の言葉にAは首を捻った｡はて、自分がそんなあだ名を付けるような人間だと思われているのだろうか｡
少々心外だったが、そうだ質問をするんだったと思い直した｡
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 651人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
raiz(プロフ) - 六花さん» コメントありがとうございます、こっちにもコメントしてくださってたんですね･･･！小説に散りばめたギャグ要素がちゃんと機能しているか心配だったのですが、そう言って頂けると自信が持てます！これからも頑張りますね！！ (2023年2月27日 22時) (
レス) id: 1861dc87f7 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - 初コメ失礼します、最近読み始めた者です！音のソノ○ティにツボって先に進めません！更新頑張って下さい! (2023年2月26日 11時) (レス) @page25 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - ずんだ餅さん» コメントありがとうございます、その一言で救われます･･･！！続編移行までまだ掛かりそうですが、気長に待って頂けると幸いです！！ (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - アルです！\(●°ω°●)/さん» 2度目のコメントありがとうございます、続編移行までまだかかりそうな上、新しい小説が出せるのはもっと先になってしまいそうですが今後ともよろしくお願いします！！ (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - おもしろかったです✨続編待っときますね！(*｀▽´*) (2023年2月22日 17時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：raiz | 作成日時：2023年2月7日 22時
