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そう言った彼等の呪力量は一般人よりも少々多い。
世間一般的に「霊感が強い」と言われるような人間なのだろう。
「最近」とは具体的にいつ頃からかと問えば、「1ヶ月ほど前から」と返ってきた。
Aは呪力慣れしているため体が重くなる感覚はない。
呪力量の少ない人間や呪力慣れした人間は感じず、多少呪力のある人間ならば感じることの出来る体の異変。
それならば、「ちょっと強い位の呪い」に分類されるのだろうか。それが呪物に関連しているとすると、考えうる原因は・・・。
「(呪物にかかってる封印が全部解けたならもっとヤバいだろうから、箱の封印だけ解けた、とか・・・?)」
封印が解けた原因は劣化かと考えたAだが、封印は呪物が消える前まで定期的に補強が行われていたはずだ。ならば、誰かが意図的に封印を外したのだろうか?いやでも、だとすれば中身の封印も解かれているはずだ。
「(取り敢えず有益な情報ゲット。)」
Aは使用済みのタオルを洗濯機に入れつつ、任務に進展があってよかったと喜んだ。
それから2時間程たった頃。
部活が終わり、部員たちが談笑しつつ帰っていく。
Aは全員帰ったらこっそり校庭を調査しようと思っていたのだが、サッカーコートに落ちる影が2つ。
「凪!」
「ん。」
ドッ、と御影から凪にボールが渡る。凪はそれを見事なトラップで受け取り、そのままゴールに入れた。どうやら連携の練習をしているらしい。
しかしこのままでは調査ができない。どうしたものかと首を捻っていれば、2人がAに気づいた。
「あ、Aだ。」
「ん?・・・あ、ホントだ。」
汗をタオルで拭きつつ凪の視線の先を見た御影は、Aに「おーい」と手を振った。
Aはコート外から御影に声をかける。
「レオとナギは帰らないの?」
「おう、俺等はもう少し残ることにする。」
「えー、俺もう帰りたい・・・。」
「あとちょっとだから、な!」
御影と凪の会話を聞き、Aは今日は調査を行えないかと肩を落とす。
しかし、頑張っている2人を残して自分だけ帰るというのもなんだか気が引けた。
「・・・じゃあ私も残る。」
その言葉を聞いて、2人は目を丸くする。
そのまま有無を言わさず、Aは新しいタオルを手渡した。
「ほい、そのタオルカゴに入れて。」
「・・・ありがとな!」
「ありがとー。」
今はできなくても、2人が帰った後に調査をすれば無問題だ。
Aはそう考え、今はここに残ることを決めた。
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raiz(プロフ) - 六花さん» コメントありがとうございます、こっちにもコメントしてくださってたんですね・・・!小説に散りばめたギャグ要素がちゃんと機能しているか心配だったのですが、そう言って頂けると自信が持てます!これからも頑張りますね!! (2023年2月27日 22時) (レス) id: 1861dc87f7 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - 初コメ失礼します、最近読み始めた者です!音のソノ○ティにツボって先に進めません!更新頑張って下さい! (2023年2月26日 11時) (レス) @page25 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - ずんだ餅さん» コメントありがとうございます、その一言で救われます・・・!!続編移行までまだ掛かりそうですが、気長に待って頂けると幸いです!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - アルです!\(●°ω°●)/さん» 2度目のコメントありがとうございます、続編移行までまだかかりそうな上、新しい小説が出せるのはもっと先になってしまいそうですが今後ともよろしくお願いします!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - おもしろかったです✨続編待っときますね!(*`▽´*) (2023年2月22日 17時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:raiz | 作成日時:2023年2月7日 22時