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昼休みも終わる頃、Aは御影に対し尊敬の念を抱いた。
数学講座を終え、ワークを解いてみれば八割程度の問題に丸がついたのだ。
Aは1度見た計算の答えなら忘れないが、解いたことの無い計算や文章題に関しては弱い。
公式は覚えられる。しかしそれを使って計算をするのが圧倒的に苦手なのだ。
それがどうだろう、御影に相談してみれば正解出来た問題の数がグッと増えたではないか。
「やっぱ地は良いんだな・・・。ケアレスミスとか減らせばこれくらいは取れるようになると思う。」
「どーしても出来なかった問題もあるけど・・・ミカゲすごい!」
無邪気に笑って丸のついた問題を掲げるAに、御影は「どーも」、と返した。
ふと、Aが御影の方を向く。
「御影ってなんでそんな頭良いの?」
これはAなりの純粋な疑問だった。今まで勉強という作業をあまりしてこなかったAだが、高校に入ってみて、ちゃんとやってみようかという気持ちが湧いたのだ。
しかし、突然始めたのでは「完全記憶」という武器があっても問題を完璧に解けなかった。
では、普通の人間である御影はどうして勉強がそんなに出来るのだろう。Aの様に完全記憶ができる訳では無いのに。
そんな疑問に、御影はうーん、と唸ってから答えた。
「ほら、俺御影コーポレーションの御曹司だってのは知ってるだろ?だから、もし俺が後継ぐことになっても大丈夫なように必死に勉強した・・・って感じかな。」
「・・・???オンゾーシ??ミカゲコーポレーション???」
聞き慣れない言葉の連続に、Aは過去一のアホ面を晒した。頭にハテナマークが大量に浮かぶ。
「おんぞうし」も「こーぽれーしょん」も聞いたことがないし見たこともない。
「(おんぞうし・・・は分からん。こーぽれーしょん・・・??
ミカゲの・・・コンボレーション???コンボ?音ゲー・・・??)」
Aの頭に次々と謎すぎる光景が浮かんでいく。
そして、閃いた。
「ミカゲは音ゲーの音草子!」
「???」
次は御影の頭にハテナマークが量産される番だった。
もしかして、この目の前の朱色髪の少女は「御影コーポレーション」を知らないのだろうか。
圧倒的ボキャ貧のAなら御曹司という単語を知らないのは有りうる。いや、普通無いのだが。
でも、日本に暮らしていて御影コーポレーションを知らないという人間はいないだろう。
そこまで考えて、御影は思考を辞めた。
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raiz(プロフ) - 六花さん» コメントありがとうございます、こっちにもコメントしてくださってたんですね・・・!小説に散りばめたギャグ要素がちゃんと機能しているか心配だったのですが、そう言って頂けると自信が持てます!これからも頑張りますね!! (2023年2月27日 22時) (レス) id: 1861dc87f7 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - 初コメ失礼します、最近読み始めた者です!音のソノ○ティにツボって先に進めません!更新頑張って下さい! (2023年2月26日 11時) (レス) @page25 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - ずんだ餅さん» コメントありがとうございます、その一言で救われます・・・!!続編移行までまだ掛かりそうですが、気長に待って頂けると幸いです!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - アルです!\(●°ω°●)/さん» 2度目のコメントありがとうございます、続編移行までまだかかりそうな上、新しい小説が出せるのはもっと先になってしまいそうですが今後ともよろしくお願いします!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - おもしろかったです✨続編待っときますね!(*`▽´*) (2023年2月22日 17時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:raiz | 作成日時:2023年2月7日 22時