mémoire【HP_親世代】 (ページ23)

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episode.23 ページ23

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__カランッカランッ

鈴の心地よい音が聞こえ目の前のドアが開けられた。
ドアを押さえてくれているシリウスにお礼を言いつつ中に足を踏み入れた。

ﾏﾀﾞﾑ「いらっしゃい」

『こんにちは』

ﾏﾀﾞﾑ「あら、珍しい組み合わせね」

ｼﾘｳｽ「ま、色々とな……。
ジェームズの結婚式なんだ、スーツを新調しにきた」

ﾏﾀﾞﾑ「そっちは？」

ｼﾘｳｽ「Aにも新しいドレスを頼む、デザインは任せる」

『え、オーダーするの？』

ｼﾘｳｽ「当たり前だろ？既製服を着てどうする」

うーん、シリウスってもしかしてどこかの貴族なの？
立ち振舞いとか、所作とか、思い当たるところが色々とあるけど。

先にシリウスが採寸と試着をするらしく私は壁にかかるドレス達をみていた。

___あ、これ素敵。

そう思って手にしたのは深緑のドレスで所々にラメがついていて光が当たると銀色に輝いていた。
家にあるワンピースは真紅だし、シリウスが買ってきた中にこういう系統の色の服は無い。

ｼﾘｳｽ「それがいいのか？」

急に声をかけられてビックリして振り返るとなんとも言えない表情をしていた。
どうしてそんな顔をするのかわからなかった。

まだ私には彼に対して出来ていないことがあるのだろうか。

『似合わないかな？』

口からでたのはそんなありきたりな言葉だった。

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