mémoire【HP_親世代】 (ページ20)

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episode.20 ページ20

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ｼﾘｳｽ「んじゃ、いくか」

着替えが終わりベッドルームからでてきたシリウスは私の腕を引き自らの腕に絡ませた。

え、家を出る前から腕とか組んじゃうの？

ｼﾘｳｽ「なんだその顔」

眉を寄せるその顔もかっこ良くみえている私はそうとう重症なのかもしれない。
シリウスの手が顔に伸びてきて咄嗟に目を瞑った。

__ペシッ

『いたっ！』

ｼﾘｳｽ「キスすんぞ、こら」

デコピンされた……、いたい……。
じんわりと瞳が潤む。
シリウスを睨み付けるがわたしに見向きもせずに、なにやら考え込んでいる。

『なに考えてるの？』

ｼﾘｳｽ「あー……いや、べつに」

『秘密の多い人ね』

ｼﾘｳｽ「うるせぇ……」

シリウスは腕を掴んでいる私の腕に自らの手を重ね、私の顔をみて真剣にこう言った。

ｼﾘｳｽ「なにがあっても離すなよ？」

絡ませた腕に力をいれ自分の方に引き寄せると視界が歪んだ。

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