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「Aちゃーん!」

「善逸くん」

私を見つけた善逸くんが、ぶんぶんと手を振りながら駆け寄ってくる。
キャンパス内は人通りも多く、彼の容姿とテンションも相まってとても目立つ。
やはり高校で美男子として名を馳せていただけのことはある。あちらこちらから女子の熱い視線を浴びているのに何故気づかないのだろうか。

「今日もバイト?」

学費や生活費を稼ぐ日々の私は、カフェの他に2、3のバイトを掛け持ちしていた。
善逸くんと話すようになって早数ヶ月。私のバイト事情を知っているだけではなく、あれ以来暇さえあれば、迎えに来ては家まで送ってくれるようになっていた。

申し訳なくて、何度も断ったが、頑なに受け入れてもらえず、ずるずると謎の関係は続いている。
好きな人や彼女ができたら即刻辞めるよう伝えてはいるが、例のごとく泣き喚いて話にならない。

「今日も駅前のカフェ」

「おっけー!Aちゃんて、すごいよねぇ。バイトも沢山してるのに勉強はできるし」

これ借りてたノート、と差し出されたものを受け取り、鞄にしまい込む。

「いつもありがとう!授業聞かなきゃって思えば思うほど、なんだか眠くなっちゃうんだよね」

「お迎えはいいから、その分お家で休んだらいいのに」

「えぇ!?やだやだやだ!!迎えに行くの俺がどんだけ楽しみにしてるかAちゃんには分からないでしょ!」

私の可愛くない返事にも善逸くんはいつも嬉しい言葉で返してくれる。
表情も言動もころころかわって飽きない彼と一緒に過ごす時間が増えるにつれて、いかに彼が心底良い人で、憎めない人なのかを知った。

だからといって彼を独り占めしたいだとか、ましてや恋人になりたいだとか、そんなおこがましいことは考えていないけれど、なんの変哲もない私の大学生活に色を添えてくれたのは紛れもない事実だ。

彼と出合ってから毎日賑やかで楽しい。

「善逸くん、ありがとう」

精一杯の気持ちを込めてお礼を言うと、彼はバッと口元に腕をやったまま視線を逸らした。

「だから…そういう不意打ちはずるい」

あからさまに視線をそらす善逸くんに首を傾げていると、”善逸” と彼を呼ぶ声とともに周囲のざわめきも一段と強くなった。

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churi(プロフ) - ☆りんご☆さん» ☆りんご☆様(^^)コメントありがとうございます!とっても嬉しいです(;O;)またご縁があればよろしくお願いします★ (2020年11月18日 15時) (レス) id: c462110017 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - とても素敵なお話でした!これからも頑張ってください! (2020年11月18日 10時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
churi(プロフ) - 葵さん» 葵様(^^)コメントありがとうございます!そう言っていただけで嬉しいです★また妄想がまとまったら形にしていきたいと思っていますので、その時は宜しくお願いします(*^^*) (2020年11月15日 5時) (レス) id: c462110017 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編にしても善逸の短編にしてもめちゃくちゃ楽しみです。。。。!!!!早く読みたいです!泣  頑張ってください!! (2020年11月14日 12時) (レス) id: efe86a5252 (このIDを非表示/違反報告)
churi(プロフ) - 尊さん» 尊様(*^_^*)誤字の件、教えてくださりありがとうございました!!全然細かくないです…すみません。嬉しいコメントも重ね重ねお礼申し上げます☆ (2020年11月14日 11時) (レス) id: a5a165b70a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:churi x他1人 | 作成日時:2020年10月28日 16時

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