検索窓
今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:136,120 hit

第4話 ページ4

再びもう冷めきった珈琲に口をつけると
暇潰しのタイムリミットを知らせる音が鳴る

・・・あ、やば、忘れてた。

「あ、すみません、もうそろそろ僕行きます。グラタンご馳走様でした!あのここの支払いは僕が。」

数千円テーブルにおいて席を立つ

『え!?悪いです!気にしないでください。むしろ私に・・・』

「いいから、いいから。女性に支払いさせる訳にはいかないんで。ちょっとくらいカッコつけさせてください。」

返そうとするお金を半ば強引に渡す

「じゃあ、僕はこれで。」

『あの、待ってください!』

「・・・え?」

『では、私からも。これ、使ってください。風邪引いちゃいます。』

渡されたのは青っぽい紫陽花カラーの
綺麗な折りたたみ傘

「え。すご。なんでわかったんです?傘持ってないの。」

『ふふ、それは秘密です。』

指を口元にあてて内緒、と、ポーズするのは
さすがにずるいなと思う 可愛い

『と、言うのは冗談で、肩とか濡れていましたから。』

「ああ、なるほど。」

『返さなくても大丈夫ですから、どうぞ。私はもう一つありますし、差し上げます。』

申し訳なさがあったが
義理堅そうな彼女が納得しなさそうな気がして
有難くお言葉に甘えることにした

「ありがとうございます。いただきます。」

『はい、気にしないでください。』

彼女から傘を受け取り店を出る
出るまで笑顔で見送ってくれた

店の扉が閉まると同時に紫陽花カラーの傘を開いた

っバサッ

ふわりと香る優しい甘い香り
彼女の横にいた時にも微かに感じた香り
・・・香水かな?・・・落ち着く香りだ

ふぅと一息深呼吸すると
雨の匂いと優しい甘い香りが
鼻腔を駆け抜ける

・・・悪くない暇つぶしだった

素敵なお店
美味しい珈琲にグラタン
それに───────


「さ、本日最後の仕事行きますか」

苦手な雨の世界を歩き出すも
不思議とその足取りは軽かった

設定(5話ということで)→←第3話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
240人がお気に入り
設定タグ:江口拓也 , 声優   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- サチさん» サチさん、毎度コメントありがとうございます^^*楽しんでいただけているようで嬉しいです。感想の方もとても細かく教えて頂きありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです^^* (2020年7月22日 19時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - ああ…また、星を押しちゃいました(//∇//)それぐらい良いです。文章が優しい感じで、作品全体が暖かい感じがします。楽しみにしています(^ ^) (2020年7月21日 23時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
- サチさん» サチさん、再びコメントありがとうございます。お星様まで^^*とても嬉しいです。初めての作品でしたので、そう言ってくださると本当に励みになります。ありがとうございます。 (2020年7月19日 11時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 更新ありがとうございます(^^)私もにこさんと同じで、つい毎回星を押してしまいます。それぐらい、読みやすく、素敵なお話です(^^)楽しみです! (2020年7月18日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
- にこさん» にこさん、初めまして。コメントありがとうございます。おまけにお星様まで・・・嬉しい限りです。引き続き、楽しんで読んでいただけるよう頑張ります。いつも読んでいただきありがとうございました! (2020年7月16日 22時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年7月8日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。