第200話 ページ50
お腹いっぱい食べて、店を出る
気がつけばもう夕方 案外長くいたみたい
『……あっ』
なかなか払うと言って聞かなかった彼女からもぎ取ったお会計札
レジに持っていって会計を済ませて
俺も彼女に続いて店を出た
立ち尽くす彼女
その背中を見て、少しだけ嫌な予感がした
｢……雫さん？｣
声をかければ、ハッとしたように我に返る彼女
『あっ…』
『あっ、ご馳走さまでした！すみません、支払いまでしてもらって…』
｢誕生日でしょ〜、黙って奢られなさい｣
…先程とは違って無理に明るくしてる雰囲気にまた何かが引っかかる
…この嫌な予感が当たらないといいけど
そう思いながら、｢行こっか｣と声をかけた
恐らく、彼女の雰囲気が変わった理由
店を出たら、少し強めの雨が降っていた───
傘を開く彼女
なんだか不安そうに開く
｢そういえば…雨って言ってたっけ｣
あー、傘ないなーって思っていたらふと思い出す
｢あっ、あったわ｣
『…あっ』
かなり前に借りてて返してなかった傘
紫陽花色の雫さんと色違いの傘
｢…忘れてた笑｣
『ふふっ、いいですよ、返さなくて』
当時は、普通に忘れてたのもあるけど
会う口実に使ってた借りてた折り畳み傘
まさか、ここで使う日が来るとは
2人並んで色違いの傘を開く
ぴちゃぴちゃと水たまりの水が歩く度に靴にはねた
｢やだね〜、急な雨は｣
『…そうですね〜』
｢濡れるのがやだわ〜｣
『…にしては傘持たないですよね、江口さん』
｢持つのも嫌い〜｣
『ふふっ、江口さんらしい』
そんな会話をしながら2人で雨の道を歩く
路地裏外だったため、やっと大きい道に出た
でも、その大きい道は住宅街であり、
急激な雨でみんな家にいるのだろう
道は静かだった
雨特有の香りと、雰囲気が俺たちを包む
しばらく歩いていると、長い横断歩道まで来た
赤信号であったため、2人並んで歩みを止めた
すると、暫くして小さい子供にカッパを着せて抱っこしているスーツを着た男性が俺たちの前に立った
黄色いブカブカなカッパをきた可愛い小さい子は、手に何か持っていた
その子は、こちらをじっと見てニコッと笑う
『…可愛いですね』
その子に向けて手を振る彼女
｢…だね｣
子供かぁ…
あの人、仕事帰りでお迎えかな？
お疲れ様だなぁ…
子供なんて無縁だななんて思ってたけど…
雫さんとの家庭が頭にチラつき
一瞬ニヤついた
…彼女となら幸せかもな、なんて
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雅 - サチさん» サチさん、ありがとうございます。とりあえず第4章がいっぱいになりましたので、5章までいきそうです。長くなってしまいましたが、いつもコメントを下さりありがとうございます(*^^*) (2020年10月19日 23時) (
レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 読みます！読みます！ゆっくり更新でも大丈夫です！完結まで頑張って下さい。楽しみに毎回待っています(^^) (2020年10月19日 22時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、ありがとうございます！(*^^*)はい！後半編です。また、作品自体終盤ですので、ゆっくり更新ですが読んでくださると嬉しいです(*^^*)本当にいつもコメントありがとうございます！ (2020年10月19日 18時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 連投すみません。今回も沢山の更新だったので、嬉しかったです(^^)お疲れ様でした！誕生日も後半ですかね？この後どうなるのか楽しみです！ (2020年10月18日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
サチ - ドキドキしましたが、流石です！そして、ほのぼのとした感じで良かったです！２人の会話の雰囲気？がとても好きです。 (2020年10月18日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2020年9月19日 22時
