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再び目が覚めると、やはりそこは医務室だった。
右手に温かい感覚がして見てみると、フードを外した先輩が手を握って眠っていた。
『…先輩』
｢んぅ…ん、A!!｣
『うぉ、寝起きから元気ですね』
｢そんなんどうでもええねん!!な、大丈夫なん？｣
『え、あ、はい。大丈夫です。』
｢…よかったぁ､､､ちょっと待っててな｣
ペ神ー!!と叫びながら部屋を飛び出る先輩。
…インカムは??
体を起こそうとするとお腹に痛みが走る。
｢Aちゃん、動かない方がいいよ。肋、折れてるから。｣
『え、』
｢すまん、俺のせいやねん、あんまちゃんと覚えとらんけど、俺がたぶん、ガチで蹴ったから､､､｣
いや、うん、そうだけど。え、そんな簡単に折れるの??
『んー、まぁ、大丈夫ですよ』
｢それにしても首の跡残んなくて良かったねぇ｣
｢…俺的には残っても良かったんやけどな((ﾎﾞｿｯ｣
『先輩??』
なんか凄い不穏なことが聞こえた気がした。
『あっ、そういえば戦争って、』
｢あぁ、勝ったで。ちゃんと全員ガスマスク付けてたらよゆーやったわ。｣
『よかったぁ』
流石だなとか思っていると先輩が突然抱きついてきた。
『せ、先輩!?』
｢……｣
『しんぺいさん、助けてください』
｢じゃ、俺仕事あるから行くね。…ロボロ〜!!｣
無言で抱きついている先輩と二人。さぁ、困った。
｢…ｸﾞｽｯ……ｽﾞﾋﾞｯ｣
『え、先輩、泣いてるんですか？』
｢だっで、俺、守るって決めてたんに、俺が傷つけて、｣
『んー、ま、確かに怪我はしましたけど、そうなったのも先輩が私を助けてくれたからですし、むしろありがとうございます。』
大丈夫だと伝えても先輩はずびずびと泣いている。
背中を優しくさすってあげると少しずつ呼吸が落ち着いてきた。
『ふふっ、こうやって見ると先輩ってやっぱ、末っ子気質ですよね』
｢自分じゃわからんけど、、A、弟とかおるん？｣
『あー、まぁ、いますよ。厳密には“いた”の方が正しいですけど。』
｢てことは俺に会う前の話やんな？｣
『はい。…いつか、必ず話します。だから、もうちょっとだけ待っててください』
今度は先輩が私の頭を撫でる。
｢いつまででも待ったるから｣
『ありがと、ございます。…ね、先輩。弟の話聞いてくださいよ。私の弟、ハルタって言うんですけどね､､､』
今だけは先輩の優しさに甘えて昔話に花を咲かせることにした。
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作者名：クルト | 作成日時：2022年6月23日 23時
