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そして時は流れて翌日、ヴィルトゥエル城壁にて。
｢んじゃ、俺は総統室行ってくるで、資料保管室よろしくな。場所は覚えとるやろ？｣
『当たり前じゃないですか。先輩こそ迷子になら…あー、騒ぎ起こさないでくださいね。』
｢起こさへんて!!もしなんかあったらちゃんとこれ使えな｣
先輩は一人一つ持たされたガスマスクを指さして言う。
『分かってますよ。じゃ、また後で。』
私たち2人での任務はいつもこんな感じ。2人で手分けして情報を入手したり暗殺したり。
基本的に先輩が危険度の高い方に行ってくれる。たまには代わりますって言ってもいややの一点張り。
先輩には及ばないにしても私もだいぶ強くなったと思うんだけどなぁ。
資料保管室に着き、該当資料を探す。
｢薬の効能と使用例｣｢他国への密売について｣｢研究者について｣
探すとかじゃなかった。そこら中、というか、この資料保管室全てが薬関連の資料と言っていいような。
なぁんだ、めっちゃ楽。と思っていたら頭の後ろでカチャリという聞きなれた音。
｢振り返るな。手を上げろ。｣
『いやー、まさか、見つかるとは。幹部さんです？』
｢無駄口を叩くな。…こちらへ来い。お仲間がいるんだろ？迎えに行かなくてはいけないよな。｣
さて、どうしようか。おそらく先輩のこともバレている。となると行先は総統室。
ここの総統室は6階にあるからワンチャン飛び降りられなくもない……いや、さすがに無理か。
今この場で此奴をねじ伏せられればなんといい事か。だが生憎、こいつはヴィルトゥエルの幹部だろう。
中々に体格もいいので、真正面からの一対一で勝てる気がしない。
うんうんと考えていると総統室に着いたらしい。
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作者名：クルト | 作成日時：2022年6月23日 23時
