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私たちが攫われた後、ハルロニアは滅んだらしい。
目が覚めるとそこは地下牢で、横には私と同じように手足を鎖で縛られたハルタがいた。
｢目が覚めたかい？｣
『…お前は』
｢まだ幼いのに口が悪いじゃないか。…私はエドガー。シエロの国王だ。｣
『なんで父さんたちを殺した』
｢それは秘密さ。君たちが知っても何にもならん。｣
エドガーは牢の中に入り、突然ハルタの腹を蹴り飛ばした。
｢ｯｶﾞｯ｣
『ハルタ!!…ねぇ、何がしたいの!?』
｢何がしたいか、ねぇ。この国で働け。断った場合どうなるかはわかると思うが大切な弟くんの命を守りたいならな。｣
｢…姉ちゃん、おれ、やだよ、？父さんと母さん殺したヤツらの言うこと、聞きたくない｣
『……わかった』
悩んだ末に私は口を開いた。
『貴方の言うことを聞く。だけど私だけ。ハルタには何も命令しないで。手も出さないで。』
｢……わかった。そうしよう。｣
エドガーは地下牢から出て行った。
私がエドガーの元で暗殺やら何やらをやり始め、2年が経った。
いつものようにハルタと2人で地下牢にいるとエドガーが近寄ってきた。
｢A、新しい任務だ。今度ヴィルトゥエルの国王が来る。その時に接待をしろ。お前ももう17だ。接待の意味ぐらい分かるだろう。｣
コイツが今言ってるのはつまり体を売れということ。
｢…っっっざけんなよ!!!!｣
『ハルタ、？』
｢いっつも姉ちゃんばっかり、暗殺とかは姉ちゃんが直接傷つかねぇから目瞑ってたけど、それだけは絶対許さねぇ｣
こんなハルタは初めて見た。ハルロニアにいた時はやんちゃでこそあれ、怒鳴ることはなかったし、シエロに来てからもただただ大人しくしていた。
｢…そうか、気に入らないのか。……じゃあ死ね｣
銃声が鳴り響き、ハルタが肩を抑えて蹲る。
『ハルタ!!!!ねぇ!!ハルタに手は出さないんじゃないの!?』
｢そのつもりだったがな、残念だ。…そいつ縛っとけ。｣
エドガーの部下が私のことを縛り、地面に押し付ける。
｢まぁ、よく見ておけ。反抗したらこうなるからな。｣
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作者名：クルト | 作成日時：2022年6月23日 23時
