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｢……まじか｣
『似合ってませんか？』
｢いや、めっちゃ可愛い。待ってホントに可愛い。｣
可愛い可愛いと連呼する鬱先生。この人に可愛いと言われることには慣れているけれど、ここまで下心なく純粋に言ってくることはほとんどないので、不本意にも顔に熱が集まる。
『い、いいから、も、次のことやりませんか、？』
｢あ、あぁ、せやな。メイクと髪の毛やるでここ座って。｣
誘導されるがままに座り、メイクをされる。
あまりにも手際が良くて何となく悔しくなった。
｢髪飾りどっちがええ？｣
渡された髪飾りはどれも花を基調としたもので、黄緑、青、薄ピンクの3種類だった。
ドレスは黒でシンプルなものなので恐らくどれでも合うだろう。
『じゃあ、黄緑で』
｢んふ、分かりやすいねぇ、Aちゃんも｣
『…なんのことですか』
先輩の色だから選んだとか、そんなことは絶対にない。
｢ん、できたで｣
『…うわぁ、すご、』
鬱先生のことちょっと見直した。ちょっとだけ。
｢グルちゃんのとこ行っといで｣
『はい、ありがとうございました』
鬱先生の部屋を後にしてエントランスへ向かう。そこには既に皆揃っていた。
｢A、来たか｣
『はい、お待たせしてしまってすみません』
｢うん、よく似合ってるゾ｣
チラッと先輩の方を見るとフルフルと震えながら固まっていた。
『先輩？どうしました？』
｢…むり｣
｢ゾムのことはほっといていいめう｣
『オスマンさん』
オスマンさんとその横にいる深緑のドレスに身を包んだオプロイテは正に美男美女。めちゃめちゃ綺麗だった。
｢Aちゃん、すごく綺麗｣
『オプロイテも凄く似合ってる』
｢全員揃ったな｣
総統の合図でエントランスを出る。普段なら真横にいる先輩は私と総統の後ろにいる。
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作者名：クルト | 作成日時：2022年6月23日 23時
