来年の事を言えば鬼が笑う

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新曲の打ち合わせやレコーディングなど慌ただしい日々の中で、藤ヶ谷と交わすメッセージ。
あの焼き鳥屋の夜、ベロベロに酔ってしまった俺を藤ヶ谷はタクシーで親切に玄関まで送ってくれた。
肩を貸してくれた藤ヶ谷。
その肩に触れることができ、酔ってる頭の中でも嬉しくて照れくさかった。


たいすけとのメッセージは
たいすけの好きな人への惚気ばかりだった。
『今日も可愛かった』とか『今日は眠そうだった』とか『今日は少し機嫌悪かった』とか。
そんなこと聞きたくもないのに、律儀に自分も返していた。



『今日は疲れてるようだった』とか
よく見てるんだなぁと関心する
一途なたいすけの想いに、便乗するかのように
自分も藤ヶ谷のことがより好きになったり
たいすけのことがより気になったりしているこの頃。


たいすけ明日は、好きな人とデートなんだ。頑張ってくる!


そんな時届いたメッセージ。
･･･たいすけも、デートか。
聞く限り上手くいってる二人。
･･･多分、明日あたり結ばれるんだろうな。



藤ヶ谷 太輔明日朝8時頃、迎えに行くわ


届いた藤ヶ谷のメッセージ。
俺も明日デートだった。
待ちに待ったドライブデート。
焼き鳥屋からは飯には行けてないけど、
仕事で逢えばメンバーの目を盗んで二人で話すことも、増えた。
こんなに連絡を取り合ってることをメンバーにバレてしまったらもうそれは煩いってもんじゃない。
二階堂辺りは発狂するかもしれない


･･･あいつ、無駄に藤北推しだし。


北山 宏光ありがと。楽しみにしてる。


ひろデート頑張って!実は俺もデートなんだ!



そう返して、明日に備えて早めに寝床についた。


藤ヶ谷のあの顔が忘れられない
スマホを見て優しい瞳で笑っていた表情が。


自分には決して向けられない表情が。


･･･なぁ、藤ヶ谷？
お前どーゆうつもりで、明日のドライブとか計画立ててくれてんの？


"北山と行きたかったの"


他に好きな奴がいるくせに
あーいう顔をさせる人がいるくせに


どういうつもりで優しくすんの？



「あー、わかんねー」


寝なきゃいけねーのに。
余分な邪念が渦巻き、眠りにつくことができなかった。


こんなに寝れないのは
藤ヶ谷と行った夢の国の日の夜以来
瞼を閉じても中々寝付けず、何度も寝返りを打った。


眠れたのはやっぱり朝方の4時頃、
あまり寝てないくせにアラームの音でスッキリと起きることはできた

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