来年の事を言えば鬼が笑う

23 F ページ23

この事実を告げた方がいいに決まってる
でも、どのタイミングで告げよう
今告げるのも、腑に落ちないところがある

出会って17年と少しぐらい･･･か？
そんな想いを、「北山が自分のことを好き」だと分かったからと軽々と告げたくない


好きだと分かったから、告白をするなんて
男らしくもない
でも、知ってしまった以上、気付いてしまった以上･･･嘘を重ねてしまうことになる


ここは、"たいすけ"を退会するか？
でも、急に？北山は変に思わないか？


知ってしまったからには
今度は違う意味で悩みがでてくる


"両思い"だった、その事実は飛び跳ねるぐらい嬉しいことなのに。手放しで、喜べない自分もいる
北山にこのことを変に誤解されてこんな所で嫌われたくない


やっと両想いになれたのに…


いや、両想いだったのか？元々･･･


北山はいつから自分のことを好きでいてくれたのか


長い間だとは"ひろ"を通して聞いてはいるけど
その長いの定義は･･･？ここ、2.3年？デビュー後？それとも結成後･･･？それともで結成前･･･？


結成13周年、デビュー7周年目･･･


月日は思った以上に長い
今以上に俺はおちゃらけてたし、
あの頃北山は肌の黒い大人に見えたし


今の俺は北山の前だとカッコつけてしまうし


あの頃のように笑い合いたい反面、
男らしくもいたいと思う


･･･そんな北山が俺のことを･･･


え、本当に？
夢じゃなくて？


今更･･･夢と現実が分からなくなる


それに、


「･･･可愛いところって、俺、北山の前ではカッコよくいたつもりなんだけど」



･･･北山は本当に俺が好きなのか？
俺の頭の中が良いように解釈して
お花畑になってるんじゃないか？


いや、でも･･･


連絡を返せてないことに気づき、某有名アプリを開く


藤ヶ谷 太輔ただいま。今家着いたよ。こちらこそ付き合ってくれてありがとう。ダッシュボードのお金無事救出しました。ありがとう。楽しかったよ。


北山が本当に自分のことを好きでいてくれたのならば、これ以上の幸せを俺は知らない


それは多分、茶封筒が届いたあの日を越える･･･いや、それはないか。
同等の喜びだった。


それだけ、特別なこと。


北山と出逢えたこと
結成したこと
乗り越えてデビューしたこと
そして、ファンの人たちとライブで逢えること


･･･北山がいつも隣にいてくれること


辛いことも勿論あったけど
幸せなことばかりだった

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