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｢グルさん、あんた一応この国で今一番人気があって、偉い人なんやで｣
｢それは俺自身には関係ないやろ｣
トントン様はまたこれか、とこめかみに手をやっている。訳の分からん理屈でそんなこと言って困らせんな……と総統様へのお説教が始まりそうだったので、考えを少しまとめて口を開く。
｢総統様｣
｢却下｣
｢ですよね｣
｢勿論だ、次｣
｢総統｣
｢はぁ、論外。｣
｢…グルッペン様｣
｢駄目だ、どうしてだ｣
｢私の精一杯の敬意なんですが｣
｢それは置いといて、だな。次｣
｢………………グルッペンさん、｣
｢……んまぁ、そこが妥協点か｣
と、やっと納得し、頷いている。ちなみに敬語はたまに出るのは許してもらえることになった。グルッペンさんは満足気に紅茶を喉に落とす。トントン様が眉を八の字にして、これが無茶言ってすいません、と仰るので
｢私が、そうしますと言ってしまったので……言葉に乗せられてしまいました。｣
と笑えば、少し同情の眼差しを向けられる。私は貴方の気苦労に同情致します、トントン様。このくらいはまだ、とは私の場合言いきれないがそれでも、あの言葉が胸の奥に響く。ただの私を知りたいと思って求めてくれる人なんて今までいなかったから、少し嬉しかったのかもしれない。
私はカップに口付ける。また広がったオレンジの香りは冷めて、ぬるくなってしまっていたのに、華やかなままだった。
･････････････････ お礼 ･･･････････････････
お気に入り8名様ありがとうございます。
仲直りしましたね。私は嬉しいです。
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作者名：こゆき | 作成日時：2019年9月16日 18時
