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イフリートはらんらん様に叱られたからか少しだけ大人しくなった。とはいえ私のそばをついて離れないが。
｢こんなひよこ塗れの人初めてみたよ｣
｢それは私もです｣
｢いや、でも君がいい子ってわかったしいいのかな。｣
｢……？はぁ、、｣
｢動物に好かれるなんて、いい人の代名詞だろ？皆すっかり君のこと気に入ってるし、良かったらまた遊びに来てよ｣
｢遊びには、必ず参ります。｣
その後はひよこに餌をやったりイフリートを連れ散歩に行ったり猫にブラッシングしたりした。昔から動物は好きだったがこんな人懐っこいのは初めてで距離感の近さに動揺しまう。やっぱり蛙の子は蛙だった。
｢イフリート、待って待ってどこ行くの？｣
らんらん様が｢俺土いじりしてくるからAはイフリートと遊んでやって。｣と仰ったので遊んでいたのだが、何かを見つけたイフリートが突然走り出してしまう。後を追っていけば大きな窓の向こう、歩く総統様が見える。思わず私は立ち止まってしゃがむ。こうすれば見えないだろうか。振り返るイフリートが心配したようにこちらへやってくる。
｢、ちがくて……ごめんね、どうしたの？｣
イフリートは私顔を覗いて頬を舐める。それに応えて頭を撫でてやっていれば
｢お、イフリートにAやん！！！！｣
遠くからぶんぶんと手を振りながらゾムさんがやってくる。イフリートはゾムさんの声を聞いて勢いよく走っていく。どうやら彼はゾムさんを見つけたらしかった。ゾムさんも屈んでイフリートの頭を撫で回している。
｢イフリート久しぶりやな〜！お前、俺の事見つけて来てくれたんか？｣
｢わん！！！｣
｢まじか〜〜〜お利口さんやな〜！｣
私は思った。イフリートはゾムさんの犬なんだな、と。見ていただければ分かると思うのだが、イフリートはめちゃくちゃにしっぽを振ってゾムさんはイタズラな笑みではなく溶けそうな、笑いを零している。
｢Aは、そこで何してたん？｣
突然話を振られてしゃがんでいた為に尻もちをつく。それを見てゾムさんとイフリートが駆け寄ってくる。
｢す、すまん。驚かせてしもうた？｣
｢ううん、足が痺れちゃって……｣
｢そうなんか、ほい。｣
差し出された手を握ればぐい、と立ち上がらせてくれる。聞かれた質問に応えるために私は口を開く。
｢らんらん様の案内で庭とか見て回ってて、今はイフリートと遊んでるの。｣
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作者名：こゆき | 作成日時：2019年9月16日 18時
