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昼食を食べ終えた私はゾムさんと2人、城から出て、私の自宅へ向かう。
ゾムさんは私の1歩前を歩いている。まだ少し気まずく思っているのだろうか。
｢いやぁ、食べましたわ〜｣
｢ゾムさんはいっぱい食べてたね｣
｢せやな。お前はちょっと食べなさすぎとちゃうか？細いし。そりゃ男に襲われたら抵抗も出来ひんやろ。｣
ゾムさんはお腹をさすりながら満足そうな顔をする。私は彼の食べっぷりを思い出して胸焼けがしそうになる。
そのままゾムさんはくるっ、と振り向いて私の手首を掴み上げてうーん、とうなる。それから何かを思いついたように顔を上げる。その表情はまるで悪戯を思いついた子供のようだった。
｢せや、今度一緒に飯でも行こうか｣
｢あ、いや、私は……｣
出来れば行きたくない。コネシマさんのような被害に遭うのは怖いのだ。元々沢山食べるほうではないし、ああされると息絶えそうだ。それにゾムさんも幹部で美形で______要するに人気があるのでそういう面でもとても行きたいとは言えない。
丁重にお断りすれば、せっかくいい考えやと思ったんやけどな……なんてまた思考を開始したようで、今度は
｢うーん、なら一緒に運動しよか｣
なんて仰る。訓練所で見たゾムさんの動きを思い出して、彼の運動ってどの範囲のことを言ってるんだろう、と冷や汗をかく。
｢それって、だいたいどんな感じなの？｣
｢いや、ある程度身を守る術とか教えたんで。それなら保護対象から出ても大丈夫やろ。｣
思ったよりゾムさんは先のことを見据えて考えているらしく、その意見に私も確かに、と納得する。
｢じゃあ、お願いしてもいいかな？｣
とゾムさんの目を見れば、嬉しそうに目を細めて
｢おん！｣
と言う。柔らかい風が吹いて、ゾムさんのフードを揺らした。
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作者名：こゆき | 作成日時：2019年9月16日 18時
