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｢ご飯食べたばっかりだし、ゆっくりさんぽでもどう？｣
らんらん様の提案でトントン様の連絡が終わったあと、庭に出る。食堂を出るする時何故か総統様がこちらを見つめていたけれど何も声をかけられないのでお辞儀してらんらん様を追った。何か御用だったのだろうか。
庭はかなり広くてたくさんの草木花が植えられている。良くお世話されているようでどの植物も生き生きとしていた。エリア区分がされていて温室や季節などによってどのエリアもバランスよく美しく見えるように工夫されている。
｢一応ここの庭は俺が面倒見てる。でもいつでも見れるわけじゃないから管轄ってして専属の庭師とか何人かうちの部下にいるんだ。｣
エリアは大まかに5つにあり、四隅と真ん中というふうに別れている。真ん中には温室とベンチが置いてある。エリアを一つ一つみて回っている時もらんらん様は花の手入れをしている。とても几帳面で優しい方というのがひしひしと伝わる。
｢この辺は薔薇園って感じになってる。ほかの所にも薔薇植えてるけどね。それから……確か丁度Aの部屋から見えるのがこの薔薇園を抜けた所だね。｣
バラ園の入口にはアーチがあり、アーチに巻き付くように小ぶりでピンクと白の薔薇が咲いている。蔦に咲く薔薇なんてあったのだな、とくぐれば薔薇の上品な匂いが辺りを埋め尽くす。
｢素敵ですね、凄く。｣
｢気に入ってもらえたみたいで嬉しいよ。色も沢山揃えてるんだけど俺は白い薔薇がすき。｣
｢えぇ、とても綺麗です。｣
｢ふふ。基本夏場にはカラフルな色になるようにしてるんだけど、この時期って蒸し暑かったりするから爽やかな感じにしたくて｣
目を細めて花を見つめるらんらん様の気遣いのようなものが庭の隅々に配られていて、本当に綺麗な庭なのだ。それに頷きながららんらん様の隣を歩く。
｢らんらん様のお気持ちが隅々から感じられます。……らんらん様は東地区のお生まれですか？｣
｢あぁ、うん。そうなんだ。｣
｢私もです。昔は西地区に住んでいたのですが、今は御社のある森に家を構えております。｣
｢へぇ、確かその森結構色んな花が咲くよね。百合とか……？｣
｢はい。沢山咲いてますね｣
｢百合ならこっちに……｣
こうしてしばらく2人で庭を見て回った。
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作者名：こゆき | 作成日時：2019年9月16日 18時
