【実ｼ兄者】シンデレラ・ストーリーⅡ【d!】 (ページ2)

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昼食を食べ終えた総統様はすくっと立ち上がって食堂を出ていかれる。とはいえ住む国のトップへ敬語を外した話し方をするだなんてあまりに出来ないと思う。
いや、間違ったことはしていないのだろうけどあの人の御心にそぐわないことをしてしまった。
器にスープが溜まっている。
もやもやとした気持ちのせいで喉を通らない。見かねて白い軍服の____らんらん様だったか____が声をかけてくださる。

｢A、あんまり思い詰めないで。グルッペンはすぐああなるから。だから中身が五歳児って言われてるの。｣

｢……はい。｣

｢苦しそうな顔せんの。ほら、このスープ飲んだらごちそーさましよな？｣

オスマン様もすかさず声をかけてくださって確かにお皿に残すのは駄目だな、と黄金の液をスープスプーンで掬い上げる。
照明に当たってきらきら光るのがどうしても総統様を思わせる。見たくなくて口の中に運ぶ。

｢…………美味しい。｣

｢せやろ？さ、飲んでしまい。｣

｢うちで育てた野菜だから。｣

｢お前ちゃんと食わな、倒れてまうぞ｣

｢そうですよAさん。しっかり食べんと。いつか折れてしまいそうやわ。｣

私の呟きにオスマン様、ひとらん様、コネシマさん、ショッピくんが返してくれる。
私はそうですね、と零してまたスープを掬った。口にやんわり広がる優しい味が懐かしい気もした。