【実ｼ兄者】シンデレラ・ストーリーⅡ【d!】 (ページ1)

今日:20 hit、昨日:2 hit、合計:29,500 hit

43 ページ1

サラダをもぐもぐと咀嚼して飲み込めばぱちっ、と向かいに座る総統様と目が合う。

｢もっきゅもっきゅ、｣

総統様はどうやらハンバーグを咀嚼しているようなのだが、何故か効果音が可愛らしくて、思わず笑ってしまう。それを見て総統様はむっ、口をとがらせて

｢なんやA、今失礼なこと考えとらんか｣

なんて方言まで出されるものだから、胸の奥がぎゅっ、と締まる。その感覚に我に返って、

｢許してください｣

と狼狽えれば、さらに眉間に皺を寄せて少しだけ不機嫌そうに

｢俺がさっきなんて言ったんか覚えとらんとは言わさんぞ｣

と仰るので、一瞬考えたものの朝の去り際のあれのことか……と少し頭を抱えて小さく、

｢それは……だって私は流石に……｣

なんて零してしまう。それを見兼ねたショッピくんとオスマン様が

｢俺よりグルッペンの方がよっぽど虐めてるやん｣

｢グルッペンさん、圧がすごいですよ、落ち着いてくださいよ。｣

と庇ってくださる。総統様はそのまま何も言わなくなって、またハンバーグを頬張る。
さっきの胸が締まるような感覚は、と胸に手を当てて少しだけ考える。それでもなんであんな感覚がしたのかは、やはり見当もつかなかった。