【実ｼ兄者】シンデレラ・ストーリー【d!】 (ページ36)

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私が声も出さず見惚れていると、ショッピくんは

｢まだ代わりの服とかもないやろうから、俺がメイドさんに声掛けときますね。他になんか欲しいものとかないっすか？｣

と私に尋ねた。私は素直に服の要望を軽く伝えることにした。

｢軽くて、動きにくくないものならなんでもいいんですけど、この雑面は借り物なので出来れば新しく顔を隠せるものが欲しいです。｣

これはペ神様のものなのでお返ししなければならない。出来ればいつものヴェールだと助かるのだがそこまでは言わずに伝えた。

｢分かりました。ところでAさんってどうして顔隠してるんすか？｣

了解です、と言いつつおそらくずっと気になっていたのだろう事を聞かれる。私は少しだけ考えて全部まで言わなくてもいいか、とペンダントに少し触れて、

｢そうですね……私、極度の人見知りで。人の目が怖くてですね。なるだけ視線が会わないように、って言うのと、私の顔も見えないようにするのが目的……ですかね｣

と答える。本当の事を話しているので、しょうもないとか言われたらおしまいなんだよなと思いながら返事を待つと、

｢はえ～、なるほど。変な事聞いてすいません｣

｢いえいえ、ショッピくんは悪くないです。人はなんでも気になるものですから。｣

ぺこ、とするのをやんわりと止めて、そのあと軽くやり取りをしたあと、ショッピくんは部屋を出ていった。