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それを聞いてか、シャオロン様が助け舟を1隻。
｢あ、A、これ美味いで｣
と言って鶏肉のトマト煮込みのようなものを指さしなさる。鶏肉に程よくトマトのスープが染みていて、見るからに美味しそうだった。ふと見たシャオロン様の口元には赤いシミが出来ている。
｢シャオロン様、お口に何かついてますよ｣
と言って、雑面を軽く持ち上げ、見えるであろう口元を指さす。私の動作に少し驚きつつ、シャオロン様はすかさずまじか、とナプキンで口元をゴシゴシと擦る。
｢うわぁ、ほんまや〜、子供みたいやなぁ、俺。｣
ナプキンに移った赤を見て、頬をかく。シャオロン様の癖がひとつ、みえる。そうしていると、
｢はいはい！俺、自己紹介いると思うやけど！｣
と、まあまあ大きな声がする。びっくりしすぎて口に運ぼうとしていた鶏肉をフォークごと落とす。丁度お皿の上だったものの、大きな音を立ててしまった。予めナプキンを首からかけて置いたのは正解だったらしい。赤く、飛び散ってしまった。
｢ぅわぁ？！あ、も、申し訳ございません、｣
｢おい、コネシマ。声がデカすぎるぞ。｣
｢あ、俺のせいか、すまんすまん！｣
｢A、大丈夫だぞ。気にするな。｣
｢せやぞ〜、大概あいつのせいやからな。｣
総統様がコネシマ様____恐らく幹部の方であろう_____に注意のような言い口をなさると、コネシマ様はへにゃ、と笑って顔の前に片手をもっていく。それから、総統様とシャオロン様がそう仰って、総統様は私の頭をお撫でになる。その手が暖かくて、心が落ち着いていく。
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作者名：こゆき | 作成日時：2019年9月14日 13時
