【実ｼ兄者】シンデレラ・ストーリー【d!】 (ページ21)

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｢……宜しく、お願い申し上げます。｣

諦め、目を伏せ、小さく息を吐いてそう申し上げる。それから一歩下がって、顔を下げる。ゆっくりと顔を戻してみると、

｢うむ。｣

満足そうな顔で頷く総統様と、

｢俺もちゃんと守ったるから安心せえよ｣

とお顔に花を咲かせるシャオロン様がこちらを見つめていた。

ああ、神様。とんでもない事になりました。私はどうしたらよかったのでしょうか。

｢そうと決まれば朝食だな！｣

ぱん、と両手を合わせて目の前で叫ぶ総統様に、色んな意味で驚く。びっくりして絶句していると

｢せやな、腹減ったな。｣

お前は尚更やろ、シャオロン様は仰る。

｢そう、ですね。お腹すきました。｣

と少しお腹を摩ってみせると、夕飯も食べてないもんなとシャオロン様は笑う。

｢おぉ、では行こうか。｣

総統様が笑いなさる。その笑顔は国民に向けられた余裕そうな、大人っぽいものとは違って、小さな子供のように無邪気で、屈託のないものだった。
そんな総統様を見て私も頬が緩んでしまう。こんな方だったなんて、知らなかったわ。素敵な方だなぁ、と少し思った。

それから私は御二方に連れられて、｢食事は皆で揃ってとるので忘れぬように｣などなどざっくりとしたルールなんかを聞きつつ｢食堂｣へ向かった。