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もう一度見回って門に鍵をかけて帰宅しようとした時には時計は7時手前をさしていた。歩きながら、とんでもないことが起こったなとぼんやり考えていた。

首元にナイフを当てられることも幹部様であるシャオロン様に出会うことも、まさか私が男を撃退することなんてもう二度とないだろう。
こういうのは一種の夢だって思っていた方がいい気がする。普通ではありえないことが起こったことがあまりに信じられない。夢だ、これは。うん、そうだ。

なんて自分に言い聞かせながら自宅の鍵穴を回す。私の自宅は御社の後ろにある森の中にある。人見知りの私には無闇に人と触れ合わないので一番落ち着く場所だった。誰も居ないがただいま、とこぼす。

市場で買っておいた食材を見ながら今日はパスタでいいや、と鍋に水を張ってフライパンにはホールトマトとコンソメを出してみる。うん、ソース作りすぎたな、明日もパスタでいいや。

湯が沸くまでに制服を着替える。巫女服は動きづらい。せめて家では楽な格好がしたいのでゆるっとした部屋着に着替える。
湯が沸いたのを確認して塩とオリーブオイルを入れてからパスタを茹でる。盛りつけをして食卓に運んで、頬張る。うん、いつもの通り。やっぱり今日あったことは夢だわ。

そう思い直してから後片付けをし、お風呂に入り、ベットに潜り込む。いつもならすぐ意識がなくなるが、今日は少しだけ寝付きが悪かった。









『寝るの早すぎひん?!戸締りもちゃんとしとるし……まあ大丈夫やんな。ふぁ〜あ、俺も帰ろ。』


シャオロン様の声が聞こえた気がした。

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作者名:こゆき | 作成日時:2019年9月14日 13時

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