Rainbow Kiss〜ナナイロのキスの味〜No.2

Strawberry Kiss11 ページ25

北山side



……きっと、Aは何か勘違いをしている。


一体何を聞きたくないって言ってるんだろう。


ワケが分からず画面を見つめたままフリーズしてしまっていた。




宮「おいー！俺の持って居なくならないでよ！」




宮田がいつものにやけ顔で俺の元に寄ってきた。




北「……なんか、Aの様子変だった」




宮「変ってどういう風に？」




北「思い詰めてるような……」




宮「なんだよそれ」




北「とにかく……これ借りてるから」




宮「はぁ？！ちょ、ちょっと！！意味分かんないよ！これからライブだよ？！落としたらどーすんのさ！！」




宮田の制止を無視して、ポケットにそれを入れっぱなしにして仕事に入った。




───三時間後……。




なんとか、無事終えたライブに有頂天のメンバーと俺。


そして、ちょうどタイミング良く宮田のスマホが震えた。


見ると……Aだ。


慌てて楽屋の陰に行って声を潜めた。




北「さっき、どうしたんだよ！？」




A(もう……いいよ)




思い詰めたような声でAが言った。




北「なにが？！」




A(……別れたいんでしょう？もう別れたいって思ってるから連絡してくれなかったんでしょ？)




北「っはぁぁぁぁああ？！」




思わず大音量で言うと、一斉に注目を浴びた。


すいません、と小さく頭を下げて楽屋を出てから、もう一度電話に集中する。




北「別れたいなんて、ひとっことも言ってないけど！何でそうなるんだよ」




A(だって……一ヶ月も連絡なかったし、それ以外考えられなくて……)




北(ワケあって没収されてるの！メンバー全員！！」




A(うそ。だって宮田のは通じたもん)




北「あいつ、二台持ちしてたんだよ。きたねーよな……って、本気で別れたいと思ってると思ってたの？」




絶対に絶対、天地が引っくり返るくらい有り得ないことなのに。

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