Rainbow Kiss〜ナナイロのキスの味〜No.2

Strawberry Kiss2 ページ16

北「そろそろ行こうかな！」




二人とも絶対に悲しいはずだから、出来るだけ明るく言った。


本当は悲しいくせに……


離れたくないくせに。




A「そっか！送るよ」




きっとAも同じ。


お互いの気持ちは痛いほど分かる。


だけど、こうしてないと離れられないから……。


見せかけの笑顔を浮かべた俺たちは心で泣く。




北「次また会える日決まったら連絡するから」




赤のミニクーパーの後部座席に乗り込みながら彼女に言った。




A「うん、待ってる」




もし、助手席に乗って肩を並べている所を誰かに見られたりしたら大変だからって、Aはいつも後部座席に乗るように言う。


見られたら見られただって言うのに、会えなくなるのは嫌だからって。


いつも、我慢ばかりさせて。


寂しい想いばかりさせて。


会いたいってことことすら、言えなくさせてる。




A「あーあ、楽しい時間はあっという間だなぁ」




北「今日のオムライス、マジで旨かった！！次も食べたいな」




A「ふふっ……了解。今度会うときは何のDVD 借りてようか？」




北「そうだなぁ……気になってたのがあって……」




車内では、次会う時の話をするのがお約束。


出来るだけ、楽しいことを考える。


彼女の運転する車内は、サヨナラの前だというのに笑い声が絶えない。


それも、ニセモノの笑い声。

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