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Peach Kiss11 ページ27

衝動とは、相手の気持ちなんて考えられなくなるくらいのものだと初めて知った。


頬に手のひらを重ねたまま、吸い寄せられるようにぽってりとした唇にキスをした。


やっぱり……酔ってなんかいない。


次から次へと愛しい感情が込み上げてくる。




A「………んっ………はぁ……藤ヶ谷…さん」




藤「太輔って呼んで」




A「んっ……た……いすけ………」




でも、彼女は酔っている。


だって俺のキスに応えてくれてるから。


絡み付く熱い舌が、少し悲しい。


……酔っぱらってるのに最悪だ。


離れがたかったけど、ゆっくりと離れてAの顔を見る。


それまで目がとろんとしていたはずなのに、酔いが冷めたような顔をして言った。




A「ちょっと、そこに……座りたいかな」




Aは近くにあった石階段を指差す。


そこにうずくまるように座ると、小さな声で言った。




A「お水飲みたい……」




藤「えっ?あぁ、ちょっと待って」




運良く傍には自販機が煌々と光を放っている。


急いで水を買って戻ると、うずくまっているはずの彼女は寝そべっていた。




藤「A……?」




……応答なし。


覗き込むと、すぅすぅと寝息をたてて気持ち良さそうに寝ている。




藤「ねぇ、こんなとこで寝たらダメだって……A、A」




まずい……これは、本気寝だ。


何度呼び掛けても、揺さぶってもピクリともしない。


住所聞いとくんだった……。




藤「どうすんだよ……家に連れ込むのはさすがにまずいし」




取り合えず、自分も隣に座る。


彼女の頭を持ち上げて、固い石段の上から自分の膝に乗せた。


膝枕って……初めてしたかも。


まるで寝顔は赤ちゃんのようで、前髪の間から覗く額が丸みを帯びていて、肌は陶器のように滑らかだ。


全てが愛おしい……。


男の自分にも母性があるんだと初めて感じた。


そっと前髪を掻き分けると、額に唇を押し付ける。


体勢を整えて、ため息をひとつ吐いた。




藤「何やってんだ……おれ」




すると、何故か急に頭に浮かんだ。


……Aって北山と友達って言ってたっけ。


スマホを取り出して、スクロールして北山宏光を画面に写しだす。


そして、発信。

Peach Kiss12→←(抜けていた分を追記しました。)



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MK(プロフ) - さえきさん» さえきさん!めちゃくちゃ嬉しいです!繰り返し読んで頂いてるなんて!!というか驚きです!!でもやっぱり気に入ってもらえて嬉しいので今後も良いものが書けるように邁進します!ちなみに私が好きなのもみっくんのです! (2013年11月8日 20時) (レス) id: 0ea9d75c41 (このIDを非表示/違反報告)
さえき - よこおさんの話で、おおーってなって、がやさんの話で腰がぬけて、みっくんの話しで心を奪われてしまいました。何回も繰り返して読んでます。がっちゃんの話しをはらはらしながら読んでいます。どうぞご自愛なさって頑張ってください。 (2013年11月8日 18時) (レス) id: 068b3e3612 (このIDを非表示/違反報告)
MK(プロフ) - さえきさん» さえきさん!本当に本当に嬉しいお言葉ありがとうございます!!どのお話が良かったでしょうか??これからもさえきさんの様に言ってくれる人たちがいる限り頑張って書きます!! (2013年11月8日 13時) (レス) id: 0ea9d75c41 (このIDを非表示/違反報告)
さえき - もうほんとに、すっごいきゅんきゅんしましたよ。びっくりしすぎて、初めて感想を書き込みました。これからもたくさん書いてくださいね。必ず読みます。 (2013年11月8日 12時) (レス) id: 068b3e3612 (このIDを非表示/違反報告)
MK(プロフ) - 唯さん» 唯さん!コメントありがとうございます!!ニヤニヤさせることが出来て嬉しいです!がやさんのキャラと違うので心配だった内容なので嬉しいです∩^ω^∩ (2013年11月7日 19時) (レス) id: 0ea9d75c41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MK | 作成日時:2013年10月19日 11時

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