第16話 ページ17
「柚希先生、またねー!」
「ええ、さようなら」
「先生の体育凄かった!明日、あれ見せてよ、小手返し、だっけ?」
「いいよ、また明日ね」
今日は国語はないので、あの後は職員室で生徒の国語の成績を見て、明日からの授業計画をたてていた。
今までタコに教えられてきたやり方をあまり変えすぎるのもいけないと思い、とりあえず明日の授業はタコが受け持つことに。
生徒たちが校舎からいなくなり、自分も帰ろうとカバンを準備する。
「千桜さん」
そこで、背後から声がかかった。
「なんですか?烏間さん」
「来週の水曜日なんだが、月に一度の全校集会があってな。一応このクラスの教科担任になっているので、出席を頼む」
「わかりました。来週の水曜日ですね」
「ああ」
「では、私はそろそろ。この後公安にも寄らなければいけないので」
「そうか、引き止めてすまなかったな」
「いえ、それでは」
来週の水曜日、確か公安の予定もないので、授業に出られるはず。
スケジュール帳を開いて確認する。
びっしりと書き込まれた予定に、目が痛くなった。
「今日はこの後公安に寄って……明日はここの仕事だけかな……水曜日は特に何もなし」
パタンとスケジュール帳を閉じ、山を下り始める。
車は本校舎の駐車場に停めてあるので、ここから一度山を下りなければならない。
しばらく書類作業ばかりだった私にはこれが結構堪える。
「……また訓練しなきゃ」
生徒たちが訓練しながら自分も訓練すれば都合がいいな、では体育はどうしようか、と山を下りながらプランを立てる。
気づいた時には、山を下りて駐車場まで辿り着いていた。
「あ、もしもし降谷?」
「Aか、どうした?」
車のキーを探しながら、降谷に電話をかける。
ちょうど今なら、潜入捜査も終わらせている時間のはずだ。
「これから公安に向かおうと思って。降谷はもういる?」
「ああ、さっき終わったところだ。俺もこれから向かう」
「あ、そう。じゃあ大体同じくらいね」
「そうだな。風見がお前の分の仕事の管理をしてるから、着いたら風見にもらってくれ」
「了解。じゃ、切るわよ」
「ああ」
電話を切って、車に乗り込みエンジンをかける。
本校舎から帰っていく生徒の間を縫って、学校の敷地外へと車を走らせた。
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恋(レン) - めちゃおも!ガンバって!сражатесь! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
れいんぼぉー(プロフ) - 朝霧さん» ありがとうございます!ほぼ私が読みたいがために書き始めたようなものなのですが、そう言っていただけると嬉しいです!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2018年1月6日 8時) (レス) id: 6eca2fb2bd (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - めっちゃ面白いです!!どっちの話も好きなので、こういった小説が読めて凄く嬉しいです!これからも更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2018年1月6日 0時) (レス) id: 245aacf69a (このIDを非表示/違反報告)
れいんぼぉー(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!更新、ゆっくりかもしれませんが頑張っていくので、応援よろしくお願いします! (2017年12月24日 11時) (レス) id: 6eca2fb2bd (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月23日 19時) (レス) id: a78c622004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいんぼぉー | 作成日時:2017年12月23日 14時