うちの母、再婚しました

butler.8 ページ8

崇「おかえりなさい」




大毅、望と共に家に帰ると、崇裕の優しい笑顔が出迎えてくれた。




「ただいま」




笑顔で手を差し出されたから、頭を"？"にして首を傾げると、さり気なく鞄を奪われた。




「部屋、すぐそこじゃん」



崇「俺がしたいからしてんの」




相も変わらずな笑顔だけど、瞳の奥はしっかりしていて。



崇裕の言葉に納得する以外に、選択肢はなかった。




照「おかえりなさい！夕食、ちょっと待ってな」



智「今日は俺も作んでー」




照史の隣で、智洋が楽しそうにフライパンを振っている。




「淳太と流星は？」



望「あ、さっき庭におんの見たで」




庭ってどこだ。




崇「案内しますよ」




心を読めるのか、この人は。




照「あ、ついでにご飯出来るって言っといてー」



智「お嬢様を使うな(笑)」



「ついでだし、良いよ」




リビングの、更に奥の長い廊下を通り抜けると、突然視界が開けた。




「…」



崇「…どうされました？」



「…すっごい綺麗！」




一面が緑の綺麗な庭園には、小さな白い花がたくさん咲いていた。




淳「あれ、お嬢様。どうされたんですか？」



流「何か用事ー？」




私の声が聞こえたらしく、奥からワイシャツ姿の2人が現れた。




「ただいまーっていうのと、ご飯出来そうだから呼びに来た」



淳「わざわざありがとう」



流「そういえば、腹減ったぁ〜」




服の汚れを払い、ジャケットを着る動作も2人は絵になる。



庭園、後で来ようかな。




崇「後で来ようか」



「え？」



崇「日が沈んだら、もっと綺麗やで」




…崇裕って、何者なんだろうか。

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