うちの母、再婚しました

butler.7 ページ7

大「あ、お嬢様おはよー」



「おはよう。今日からよろしくお願いします」



大「汐里も、充分堅苦しいで〜(笑)」




変な所に笑窪を作って笑った大毅。




大「どうぞ、お嬢様」



「ありがとう」




しげの運転で、見慣れない道を走る。



けど、少しすると見慣れた風景に変わった。




「…あ、ねぇ──」




目立ちたくないから、停まって。



そう言う前に、車はゆっくりと停車した。




大「いってらっしゃいませ」




運転席から振り返り、そう言った大毅は、何でもお見通しと言いたげな笑顔だった。




「ありがとう、いってきます」



望「いってきまーす」




望と車を降り、学校の生徒の群れに紛れる。




望「…汐里さ、一緒に行動する子とかおる？」



「特には。基本1人だよ」




そう言うと、一瞬だけ望が私の手を握った。




望「…じゃあ、約束。俺から絶対離れんといて」



「…分かった。約束する」




所詮、言ってみたら私は養子みたいなものだし、今のご時世誘拐とか物騒な…



とは思ったけど、ここで断ってもお互いマイナスにしかならない。



用心するに越したことはない、みたいな？



.




望「小瀧望です！よろしくなー！」




どんな手使ったかは知らないけど、ちゃっかり私の隣も確保してるし。



望は顔が良いから、休み時間になるとクラスの女子がわんさか寄ってくる。



傍から見ると、苦笑いにしか見えない笑顔を顔に張り付け、寄ってくる子の対応をする望。




「…香水くさ…」




ふと、視線を感じて顔を上げると、5人組の女子がこっちを睨んでいた。



…めんどくさ。



気付かないふりをして、視線を逸らした。

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