1 GOLD -YELLOW- ページ8
「あー、もう行きたくねー!」
玉森くんは、朝からご機嫌斜め。
ようやくお昼休みに2人でこっそり、社外で待ち合わせてランチに来たのに、
席に着いた途端にぷりぷり怒り出す。
怒りの理由は忘年会。
うちの部署は毎年12月の頭に、1泊で観光地のホテルで忘年会するのが恒例で。
毎年、くじ引きで幹事を決めるんだけど、栞ちゃんと玉森くんが幹事になっちゃったんだよね…。
社内では、私達が付き合ってることは内緒だから。
もちろん栞ちゃんにも。
玉森くんは、栞ちゃんの告白をきちんと断ったって言うけど、栞ちゃんは相変わらず玉森くんにグイグイ来るみたいで。
幹事を理由に距離を詰めてくるのが、どうしても嫌みたい。
「今晩、幹事の打ち合わせで飲みに行こうって誘われたし。」
「行くの?」
「は?行くわけねーじゃん。」
「でも、忘年会って、今週末だよ?」
「だから?」
私に八つ当たりするみたいに睨んでくるし。
「打ち合わせしなくていいの?」
「たいしたことしねーのに、必要ないし。」
そう言って、結局ランチが終わるまで、玉森くんは不機嫌気味。
それは部屋に帰ってもそう。
玉森くんは結局、大きな部屋に引っ越すとか言ってたのに、いまだに私の部屋にいる。
もう骨折だって、完治してるんだよ?
「なんか、この狭さが逆に居心地いいんだって。」
とか、失礼なことも言ってくるし。
ネックレスも買ってやるって言ったのに、まだもらってないよ?
「俺、あいつ嫌いだわ。」
「栞ちゃん?」
「ああいう、グイグイ来る女子、苦手。」
ソファーにふんぞり返るように座りながら、顎で私に合図してくるし。
「…何?」
「座れって、隣。」
「やだよ。」
「何で?!」
私が断ったもんだから、玉森くんの機嫌は益々悪くなる。
「だって、玉森くん怒ってんじゃん。」
「だから何?」
「八つ当たりするじゃん。だから嫌。」
そう言ってるのに、
「いいから来いって。」
わざわざ迎えに来てまで隣に座らせるし。
「ホテルの部屋割り聞いた?」
「忘年会の?」
「そう。
A、1人部屋になってなかった?」
「なってた!
あれって何で?」
そう聞いたら、急に得意げな顔になって、
「俺が部屋割り決めたから。」
なんて、偉そうに言ってくる。
「夜、こっそり行くから。
ある意味、夜這い?」
玉森くんは、そう言って、不敵な笑みを私に投げかけてきた。
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あおこ(プロフ) - ああああああ永遠に続きを読み続けたい、、(yellow)ほど好きです。 (2020年4月19日 10時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます(*'ω'*)何度も何度もなんて、ありがたい!!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました。すべての完結までに時間がかかりましたが、私も書いていて楽しかったです♪ (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます。返信と更新がすっかり遅くなってしまいまして!申し訳ないです(/ω\)とうとう終わってしまいましたが、mmiiooさんの満足していただける話になっていたらうれしいです(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - どの回も大好きで、何度も何度も読み返してます。まだまだ、リピーターします。素敵な作品、ありがとうございました。 (2018年3月7日 22時) (レス) id: de8692953b (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - お祖母ちゃんびっくらこいたよね。気まずい!わったーは信用されてたんだろうから、さてどうする? (2018年1月28日 13時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月27日 23時