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「ケンカしたいとか、Aも変わってるよね。」

太輔はベビーベッドで寝てる菫をチラ見した後、おでこにキスを落としてくる。

「ケンカよりも、もっといいことしようか?」

わざと耳元で低音で囁くと、すぐに唇を重ねてくる。

ほら、こういうのも。

太輔は何もかもが上手すぎるんだって。

私の機嫌を直すのも、こうやっていい雰囲気に持って行くのも。

だけど、こんな私達もとうとう、ケンカをする日がやってきてしまう。









「あ…、結婚式の招待状が来てるよ。」

買物に行った帰りに、ポストから取ってきた封筒を太輔に手渡した。

しばらく封筒の表と裏を交互に見ていた太輔は、

「これって…、鈴木と萌の結婚式の招待状?」

なんて怪訝そうな顔をして、封を開く。

「あいつら、付き合ってたの?
全然知らなかったんだけど。」

「私は鈴木さんから聞いてたよ。
結婚することも。」

そう言った途端に、太輔は眉間に皺を寄せる。

「…は?
初めて聞いたけど?そんな話。
鈴木と連絡取ってたわけ?」

テーブルに無造作に封筒を置いて、太輔は距離を詰めてくる。









「そんな話、一切聞いてないけど。
どういうこと?」

やば…。

鈴木さんからはたまに、近況報告的な連絡が来てたんだ。

萌さんのことも含め。

太輔の様子も心配してくれてたし。

でも太輔が知ったら嫌な思いをするかなって、今まで言わずにいたんだ。

だけど今日は、ついうっかり気が緩んじゃった。

だいぶ時間が経ってるから、もういいかなって。

「…ごめんなさい。
たまに連絡取ってた。」

正直にそう謝ってるのに、太輔の口調はどんどん厳しくなっていく。

「何の為に?」

「…お互いの近況、的な?」

「何でそれを俺に報告しないわけ?」

「…太輔は気分よくないかなって思ったから。」

「じゃあ、連絡取るのやめりゃいいじゃん?」

太輔は怒鳴ったりはしない。

怒鳴ったりはしないけど、怖い目をして私を壁に追い詰めてくるから。

それが一番怖いんだって。









「俺が萌とそういう連絡取ってたらどうする?
しかも秘密で。」

「…嫌、かも。」

「そう思うんだったら、何でするわけ?」

「鈴木さん、悪い人じゃないし。
太輔が嫌がるのもわかってたけど、秘密にしておけば大丈夫かなって。
もう終わったことだし、時期を見て話そうと思ってた。
本当にごめんなさい。」

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あおこ(プロフ) - ああああああ永遠に続きを読み続けたい、、(yellow)ほど好きです。 (2020年4月19日 10時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます(*'ω'*)何度も何度もなんて、ありがたい!!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました。すべての完結までに時間がかかりましたが、私も書いていて楽しかったです♪ (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます。返信と更新がすっかり遅くなってしまいまして!申し訳ないです(/ω\)とうとう終わってしまいましたが、mmiiooさんの満足していただける話になっていたらうれしいです(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - どの回も大好きで、何度も何度も読み返してます。まだまだ、リピーターします。素敵な作品、ありがとうございました。 (2018年3月7日 22時) (レス) id: de8692953b (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - お祖母ちゃんびっくらこいたよね。気まずい!わったーは信用されてたんだろうから、さてどうする? (2018年1月28日 13時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月27日 23時

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