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「ここで仕事してたの?今まで。」

「そう。」

「これだけ綺麗な仕事部屋なら、仕事もはかどりそうだね。」

「そう?
俺的にはAの部屋の方が集中できるけどね。
適度に散らかってて。」

「散らかしてんのはミツじゃん。」

「まあ、Aが帰ってくる場所で仕事してんのが楽。
なんか落ち着くし。」

そう言ってミツは、今度は左側の部屋のドアの前に立つ。







「見たい?この部屋。」

そんなこと言われたら、余計に見たいに決まってんじゃん!

「見たい!」

ドアは開けてくれたけど、部屋の明かりをもったいぶってなかなかつけてくれないミツを押し退けて、壁を探って明かりを点けたら、

そこに現れたのは、家具が3つだけ置かれた
だだっ広い部屋だった。

壁際に置かれたバカみたいに大きなテレビに、部屋の真ん中に置かれた小さなソファー。

そして一番奥に置かれたベッド。

「まさかここって、ミツの部屋?」

「…そう。
ここに人を入れるの、初めてなんだけど。」

「初めてなの?」

「…まあね。
プライベートな空間に人を入れるのって嫌じゃない?」

よく言うよ。

私のプライベートにはズカズカ入り込んで来たくせに。









「ミツはここに住んでたんだ。」

勝手にソファーに座ってみると、なかなかこの狭さがいい感じ。

1人で座るためだけに買ったって感じのソファー。

本当にここには誰にも入れないつもりで揃えたんだろうな、この家具。

「でも、もうこの部屋もいらないかな。」

「いらないの?」

「だって、Aと住んでる部屋があるし。
もういらなくない?」

ありえないくらい広いこの部屋で、ミツは1人ポツンと住んでたんだと思うと、なんだか切なくなってきた。

「ミツはずっと、ここに1人でいたんだね。」

ミツは私の座ってる狭いソファーに、無理矢理座り込んでくる。








「狭いって。」

そう言ってんのに、ミツは楽しそうに距離を詰めてくるから、

ソファーで2人でギュウギュウにくっつき合って座ってる状態。

「なんか、変な感じ。
このソファーだって、いつも1人で座ってたし。
あのベッドだっていつも1人で寝てた。」

ミツが指差した先にあるベッドには、シーツも何も敷かれてなくて、白い布がかけてあるだけ。

「何?あの布。」

「しばらく留守にすると思ったら、かけといただけ。
それより、今日はここに泊まらない?」

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あおこ(プロフ) - ああああああ永遠に続きを読み続けたい、、(yellow)ほど好きです。 (2020年4月19日 10時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます(*'ω'*)何度も何度もなんて、ありがたい!!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました。すべての完結までに時間がかかりましたが、私も書いていて楽しかったです♪ (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます。返信と更新がすっかり遅くなってしまいまして!申し訳ないです(/ω\)とうとう終わってしまいましたが、mmiiooさんの満足していただける話になっていたらうれしいです(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - どの回も大好きで、何度も何度も読み返してます。まだまだ、リピーターします。素敵な作品、ありがとうございました。 (2018年3月7日 22時) (レス) id: de8692953b (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - お祖母ちゃんびっくらこいたよね。気まずい!わったーは信用されてたんだろうから、さてどうする? (2018年1月28日 13時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月27日 23時

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