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「手伝うって何したらいいの?」

「俺の傍にいてくれたら、それでいいわ。
で、俺のお願いをいろいろ聞いてもらう。」

「それって、私のこと雑用に使おうと思ってる?」

「思ってないって。
近くにいてほしいんじゃん。」

ミツは肩を抱きよせたまま、私の耳や髪にキスしたり、いろいろ仕掛けてくる。

「…ベッド行く?」

「何で?」

「そろそろ、行きたくなったかなーって。
A、こういうの弱いじゃん。」

…ミツは本当に私のことを知り尽くしてるから嫌だ。

こういう雰囲気を作られたり、ミツの方から誘われると、断れないのとかも全部知ってるから始末に負えない。









だから今日は、その手にはのらないから。

「もうひとつ、ミツに聞きたいことがあるんだけど。」

「それって、後じゃダメ?」

とか言いながら、首筋に唇を寄せてくる。

「だめ!
大事な話だから。」

「大事な話なら、ベッドの中で聞きたいなー。」

ミツの体を必死で向こうへ押しやろうとしてるのに、ミツはびくともしないし、引きもしない。

「前から聞きたかったんだけど、前に連れて行ってもらったミツのオフィス。
あれ、どうなったの?」

その言葉に、ようやくミツは体を離してくれた。








「あー…、使ってないわ。」

「全然?」

「たまに荷物取りに行く程度?」

「いいの?
家賃高いんじゃないの?」

「…てか、あのビル、俺の持ちビルだから別に家賃とかはいらないし。」

「…は?」

持ちビル?!

そんな話、初めて聞いたんだけど!

「A、明日休みだろ?
これから行ってみる?ビル。」

「今から?」

さっきまで私を押し倒そうとしてたくせに、もうミツはソファーから立ち上がって出かける準備を始めてしまう。

いつも行動がいきなりなんだって。

何も今行かなくてもいいじゃん。







大通りでタクシーを捕まえて、みつのオフィスまで。

初めて訪れて以来、全然来たことなかったな、ここ。

あの時に入ったのは、この応接スペースのある部屋だけだったけど。

両脇にあるドアの向こうにはまだ行ったことがなかったから、

「このドアの向こうって何の部屋なの?」

「右のドアが仕事部屋。
見る?」

「見る!」

初めて入るミツの仕事部屋は、部屋をぐるりと囲む本棚と、窓際に設置された大きな仕事机。

意外にきちんと片付いていて…、っていうか、使われた形跡がないくらいに綺麗な状態だった。

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あおこ(プロフ) - ああああああ永遠に続きを読み続けたい、、(yellow)ほど好きです。 (2020年4月19日 10時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます(*'ω'*)何度も何度もなんて、ありがたい!!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました。すべての完結までに時間がかかりましたが、私も書いていて楽しかったです♪ (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます。返信と更新がすっかり遅くなってしまいまして!申し訳ないです(/ω\)とうとう終わってしまいましたが、mmiiooさんの満足していただける話になっていたらうれしいです(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - どの回も大好きで、何度も何度も読み返してます。まだまだ、リピーターします。素敵な作品、ありがとうございました。 (2018年3月7日 22時) (レス) id: de8692953b (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - お祖母ちゃんびっくらこいたよね。気まずい!わったーは信用されてたんだろうから、さてどうする? (2018年1月28日 13時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月27日 23時

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