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帰るっていうミツを会社のロビーまで送らされることになり、
エレベーターに乗り込んだ途端、ミツは私を隅にやんわり追い詰めてくる。
まるでキスでもするみたいに顔を近づけてきたミツは、
「怒った?」
なんて、からかうように聞いてきた。
「…怒るって言うより、呆れた。」
「まあ、夜ゆっくり話そう。」
エレベーターが開くギリギリの瞬間に、チュッと音を立ててキスをして、
何もなかったかのような顔をしてエレベーターを降りていくミツを見てたら、そのままその背中にハイキックしたくなってきた。
ミツと別れてデスクに戻ったら、速攻で絹ちゃんに給湯室に呼び出された。
「ほんとなの?
編集部に行くって。」
…やば、もう噂が広まっちゃってるんだ。
「まだ考え中…。」
「あんまり刺激しない方がいいよ。
うちの部署、編集希望だった人意外に多いから。」
だよね?そうだよね?
今日呼び出してきた営業部の部長だって、前に飲み会の時に熱く語ってたもんね、「ほんとは編集者になりたかった」って。
給湯室を出たらやっぱりみんなの視線が冷たく思えて、あまりに居づらいからすぐに外回りに出た。
仕事から帰ってきたら、やっぱりミツはソファーの定位置でゴロゴロしてた。
「おかえりー。」
とか言いながら、もうビールを飲んじゃってるじゃん!
「なんか、顔疲れ切ってない?」
…って、お前のせいだよ!!!
「ミツはいつも何も話してくれないよね。
今回のことだって。」
「Aの出版社の話はつい最近来た話だから。
驚かせてやろうと思って。
驚いた?」
「…驚いた。」
抑揚のない声でそう告げると、ミツの隣にぐったりと座り込む。
「で?
今度の新作はキャバ嬢が主人公とかですか?」
冷静にそう切り出したら、ミツはいきなりお腹を抱えて笑い出す。
「やっぱ、バレてた?」
そこ、笑うとこじゃないから。
私、静かに怒ってるんですけど?
そこんとこ、わかってる?
「まあ、バレるようにしてみたんだけど。
ちょっと浮気の匂いでもチラつかせたら、Aはヤキモチとか妬いてくれるかなー、って。」
「ヤキモチなんか妬くわけないじゃん。
私、キャバクラとか行く人、ほんと無理なんだけど。
むしろミツが嫌いになりかけてる。」
なのにミツは、
「Aは潔癖だもんね、そういうとこ。」
とか言いながら、何でそんなにうれしそうなわけ?
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あおこ(プロフ) - ああああああ永遠に続きを読み続けたい、、(yellow)ほど好きです。 (2020年4月19日 10時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます(*'ω'*)何度も何度もなんて、ありがたい!!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました。すべての完結までに時間がかかりましたが、私も書いていて楽しかったです♪ (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます。返信と更新がすっかり遅くなってしまいまして!申し訳ないです(/ω\)とうとう終わってしまいましたが、mmiiooさんの満足していただける話になっていたらうれしいです(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - どの回も大好きで、何度も何度も読み返してます。まだまだ、リピーターします。素敵な作品、ありがとうございました。 (2018年3月7日 22時) (レス) id: de8692953b (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - お祖母ちゃんびっくらこいたよね。気まずい!わったーは信用されてたんだろうから、さてどうする? (2018年1月28日 13時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月27日 23時