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ビル街の外れにあるタワー型のホテルにチェックインしたのは、午後6時を過ぎてから。

あれからもずっと俊くんからは着信が入るけど、私はそれを無視したまま。

次々と溜まっていく着信履歴の記録と、LINEのメッセージにうんざりしてきて、電源を落とそうとしたら、何故か瑶から電話が入ってきた。

「今日暇なんだけど、飲みに行かない?」

っていうラッキーなお誘い。

二つ返事で、

「行く!」

って答えた。

「今どこにいんの?」

そう聞かれて、素直に家出してホテルに泊まってることを告げると、電話の向こうで大爆笑されてしまう。

そんなに笑うこと?









「その部屋に私も泊まりに行っていい?
今日はそこで飲んじゃう?」

ホテルの部屋飲みか…。

それも悪くないかも♪

とにかく、こんな夜は一人でいたくないから。

遙にホテルの名前と部屋番号を告げると、

「1時間後に行くね。」

なんて言われた私は、そのままホテルを出て近所のコンビニで買い出し。

ビールとカクテルとおつまみにお菓子。

あ、遙の好きなアイスも買っとく?

だけど、目に入ってくるのは、俊くんの好きなものばかりで、その度に気持ちがどんより重くなっていく。








1時間後、遙からLINEが入る。

[ホテルに着いたよ]

しばらくしてベルが鳴り、思いっきりドアを開けたら、申し訳なさそうな顔をした遙と、その後ろにはいつもの笑顔の俊くんの姿。

「ごめんね、遙ちゃん。
嫌な役押し付けちゃって。」

俊くんは唖然としてる私をよそに、勝手に部屋に入ってきて、遙に手を振ってる。

ドアの閉まる重い音が聞こえた後、さっきとは全然違う、怒り顔の俊くんが前に立ちはだかった。








「どういうこと?
遙は?」

「帰ってもらった。」

「何で?」

「最初から手伝ってもらってたんだって、遙ちゃんに。
ストレートに居場所を聞いてもAは言わないだろうから、飲みに誘う名目で聞いてもらった。」

遙、ひどくない?

友達を騙すような真似をするなんて。

「俺がそうしてくれって頼んだんだから、遙ちゃんは悪くないからね?」

そう言われて不貞腐れてたら、

「A、俺かなり怒ってんだけど?」

真顔の俊くんが私に迫ってくる。

いつも癒し系の笑顔ばかり見せてくれる俊くんが、こんなに怒ることなんてあんまりないから。

ほんとは怖いんだけど。

何故か、ときめいてた。

怒り顔でどんどん距離を詰めてくる俊くんが、普段とのギャップで、あまりにカッコよかったから。

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あおこ(プロフ) - ああああああ永遠に続きを読み続けたい、、(yellow)ほど好きです。 (2020年4月19日 10時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます(*'ω'*)何度も何度もなんて、ありがたい!!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました。すべての完結までに時間がかかりましたが、私も書いていて楽しかったです♪ (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます。返信と更新がすっかり遅くなってしまいまして!申し訳ないです(/ω\)とうとう終わってしまいましたが、mmiiooさんの満足していただける話になっていたらうれしいです(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - どの回も大好きで、何度も何度も読み返してます。まだまだ、リピーターします。素敵な作品、ありがとうございました。 (2018年3月7日 22時) (レス) id: de8692953b (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - お祖母ちゃんびっくらこいたよね。気まずい!わったーは信用されてたんだろうから、さてどうする? (2018年1月28日 13時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月27日 23時

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