4 ページ25
ビル街の外れにあるタワー型のホテルにチェックインしたのは、午後6時を過ぎてから。
あれからもずっと俊くんからは着信が入るけど、私はそれを無視したまま。
次々と溜まっていく着信履歴の記録と、LINEのメッセージにうんざりしてきて、電源を落とそうとしたら、何故か瑶から電話が入ってきた。
「今日暇なんだけど、飲みに行かない?」
っていうラッキーなお誘い。
二つ返事で、
「行く!」
って答えた。
「今どこにいんの?」
そう聞かれて、素直に家出してホテルに泊まってることを告げると、電話の向こうで大爆笑されてしまう。
そんなに笑うこと?
「その部屋に私も泊まりに行っていい?
今日はそこで飲んじゃう?」
ホテルの部屋飲みか…。
それも悪くないかも♪
とにかく、こんな夜は一人でいたくないから。
遙にホテルの名前と部屋番号を告げると、
「1時間後に行くね。」
なんて言われた私は、そのままホテルを出て近所のコンビニで買い出し。
ビールとカクテルとおつまみにお菓子。
あ、遙の好きなアイスも買っとく?
だけど、目に入ってくるのは、俊くんの好きなものばかりで、その度に気持ちがどんより重くなっていく。
1時間後、遙からLINEが入る。
[ホテルに着いたよ]
しばらくしてベルが鳴り、思いっきりドアを開けたら、申し訳なさそうな顔をした遙と、その後ろにはいつもの笑顔の俊くんの姿。
「ごめんね、遙ちゃん。
嫌な役押し付けちゃって。」
俊くんは唖然としてる私をよそに、勝手に部屋に入ってきて、遙に手を振ってる。
ドアの閉まる重い音が聞こえた後、さっきとは全然違う、怒り顔の俊くんが前に立ちはだかった。
「どういうこと?
遙は?」
「帰ってもらった。」
「何で?」
「最初から手伝ってもらってたんだって、遙ちゃんに。
ストレートに居場所を聞いてもAは言わないだろうから、飲みに誘う名目で聞いてもらった。」
遙、ひどくない?
友達を騙すような真似をするなんて。
「俺がそうしてくれって頼んだんだから、遙ちゃんは悪くないからね?」
そう言われて不貞腐れてたら、
「A、俺かなり怒ってんだけど?」
真顔の俊くんが私に迫ってくる。
いつも癒し系の笑顔ばかり見せてくれる俊くんが、こんなに怒ることなんてあんまりないから。
ほんとは怖いんだけど。
何故か、ときめいてた。
怒り顔でどんどん距離を詰めてくる俊くんが、普段とのギャップで、あまりにカッコよかったから。
1818人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおこ(プロフ) - ああああああ永遠に続きを読み続けたい、、(yellow)ほど好きです。 (2020年4月19日 10時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます(*'ω'*)何度も何度もなんて、ありがたい!!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました。すべての完結までに時間がかかりましたが、私も書いていて楽しかったです♪ (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます。返信と更新がすっかり遅くなってしまいまして!申し訳ないです(/ω\)とうとう終わってしまいましたが、mmiiooさんの満足していただける話になっていたらうれしいです(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - どの回も大好きで、何度も何度も読み返してます。まだまだ、リピーターします。素敵な作品、ありがとうございました。 (2018年3月7日 22時) (レス) id: de8692953b (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - お祖母ちゃんびっくらこいたよね。気まずい!わったーは信用されてたんだろうから、さてどうする? (2018年1月28日 13時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月27日 23時