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「どこ行くの?」

って聞いてるのに、私の言葉を無視して、前を早足で歩いて行くから、

私もその後を追いかけるようについて行くけど、すぐに距離を離されてしまう。

もうついて行くのやめちゃおうかな、って思ったら、玉森くんはすぐに振り向いて迎えに来る。

でも、無言で私の手首を掴んで、早足で歩いて行くから、結局さっきと変わんないじゃん。





裏出口を出て、ホテルのプライベートビーチに出たところで、ようやく手が離された。

「ここ。」

そこには、2人掛けのベンチが置いてあって、玉森くんはそこにどかっと座る。

「隣来いよ。」

そう言われたから、隣に座ってみるけど。

「…寒くない?」

「そっか、俺ら上着持って来てないんだっけ。」

って、ようやく玉森くんは笑った。





「去年も来たじゃん?ここ。
その時に、来年はA誘って、夜にここ来たいなー、って思ってた。
夜の海とか綺麗なんだろうなー、って。」

海の方を向いたまま、玉森くんがそう話すから、私も一緒になって、海を見てみる。

…って、真っ暗で何も見えないんですけど。

「何も見えないよ?」

「うん、それは計算外だったわ。
それに、上着を忘れてきたのも。」

玉森くんの左手が伸びてきて、私の右手を無理矢理パーカーのポケットにねじ込む。

「もうちょっとこっち来いって。」

「何で?」

「離れてたら寒いじゃん。」

「くっついても寒いよ。」

「ああ言ったらこう言う、ほんとAは口答えばっか。」

玉森くんは、軽く溜息をついて、自分から私の方に寄ってくる。

繋いでポケットにねじ込まれた手は、そのままで。






「疲れたわー。もう幹事なんか絶対やりたくない。」

「あれから、また幹事の仕事してたの?。」

「そう、明日の打ち合わせとかさー、そんなにしなくていいんだけど。
あいつ、自分の部屋で打ち合わせしようとか言いだしてさー、襲われそうで怖いから、ロビーで簡単に済ませてきた。」

そっか、栞ちゃんも一人部屋なんだっけ。

「お前はどうだった?」

「何が?」

「阿部だって。
なんかされなかった?」

「されるわけないじゃん。」

「まさか、部屋とか入れてねーだろうな?」

「入れるわけないし。
っていうか、ちゃんとドアの前でバイバイしたよ?」

ふーん…。

やっぱり、阿部くんのことが気になっちゃってる感じ?

なんだ、玉森くんもけっこう可愛いとこあるじゃん。

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あおこ(プロフ) - ああああああ永遠に続きを読み続けたい、、(yellow)ほど好きです。 (2020年4月19日 10時) (レス) id: 8d319b548e (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます(*'ω'*)何度も何度もなんて、ありがたい!!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました。すべての完結までに時間がかかりましたが、私も書いていて楽しかったです♪ (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます。返信と更新がすっかり遅くなってしまいまして!申し訳ないです(/ω\)とうとう終わってしまいましたが、mmiiooさんの満足していただける話になっていたらうれしいです(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - どの回も大好きで、何度も何度も読み返してます。まだまだ、リピーターします。素敵な作品、ありがとうございました。 (2018年3月7日 22時) (レス) id: de8692953b (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - お祖母ちゃんびっくらこいたよね。気まずい!わったーは信用されてたんだろうから、さてどうする? (2018年1月28日 13時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月27日 23時

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