【赤羽業】転校生の時間・3時間目【暗殺教室】

ご挨拶の時間�� ページ6

でも、何を言いたいかすぐ察してくれたようで。


「あぁ、俺は千葉龍之介。」

「ありがと。カッコいいね、名前。龍之介…は長いから、千葉で！

で、えーっと、私がE組(ここ)に来た理由は…」

「桜井さん。」

「あっ、はい！！」

そういえば点呼中だった。
桜井の出席番号は29。一番最後だ。

ーーだけど、あれ…？

空いてる席は、一番後ろの2つ。そして、縦に5人、横に6人。つまりこの場に28人しかいない。

ーー欠席かあ。残念だな。なるべく今日、全員に話しかけたかったけど…。


「今日休んでる子いるよね？その子はなんて名前なの？」

「その前に質問に答えてほしいんだけど。」


「あっ、そうだね！って言ってもただ単に…」



答えようとして、ハッとする。

桜井がE組に来た理由、それは"自分がそう望んだから"だ。殺せんせーの暗殺、なんて面倒ごとに巻き込まれたのは『あいつ』の思惑通りかもしれない。
けれど、E組(ここ)に来たのは紛れもなく自分の意思。


ーーそれを、この人たちに言うの？


椚ヶ丘中学校で脱落組と揶揄される"エンドのE組"
そのくらいの情報は知っている。学校については結構真面目に調べたから、このクラスにいる人間が本校舎の人間にどんな扱いを受けるのかも、知ってる。
自分はここにいるのは、それを承知の上だ。そんなのがどうでもよくなるくらい、"拘りたいこと"があったから。

でも、ここにいる人たちはそうじゃない。
こんな劣悪な環境を、自分から望む人がどこにいる？
少なくとも、椚ヶ丘に入学当初からいる人たちにはあり得ないだろう。

客観的な事実として、桜井自身は勉強も運動もそれなりにできる。一番になれなくても、トップ層にいられる。


ーーそんな私が、『ここに来たいと思ったから』なんて言っていいわけない。背後から刺されたって文句言えないよね…。



「理事長室でやらかした、素行不良！」


「…何したの、一体。」


カルマは苦笑いでそう尋ねてきた。
もしかしたら嘘だとバレてるのかもしれない。

「さすがにそこは内緒だよ、内緒！自分の失敗談を語るなんて恥ずかしいよー！」

いや、ある意味嘘ではないか。理事長にE組行きを志願した結果こうなったのだから、間違いではない。


「…ま、いいや。
今日休んでる奴、Aちゃんの逆隣ね。今日だけじゃなくて暫く休学するらしいよ。
その辺の話、後でしてあげる。奥田さんが。」

「わ、私ですか⁉」

「おっけー！よろしく、愛美ちゃん！」

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