【赤羽業】転校生の時間・3時間目【暗殺教室】

期末の時間�� ページ37

「おう、進藤。球技大会ぶりだな。どうした？」

『ああ。あの時は世話になったな、杉野。
高校で借りを返すと言ったが、俺と違ってお前はまともに進学できるのか心配になってな。』

「ははっ、相変わらずの上から目線で。」


部活で杉野からレギュラーを奪い取り、球技祭で競い合った野球部のエース・進藤。物言いこそトゲがあるが、その言葉には温度がある。

E組に落とされてからまともに会話もしておらず、野球部の皆にどこか見下されているのも分かっていた。球技祭を経て、こうして何の壁もなくまた話せるようになった。
もちろん、E組というレッテルが付いてチームメイトだったはずの人間に蔑まれていたこと、思うところがないと言えば嘘になる。

けれど、終わったことをどうこう言ったって何も変わらない。



何より杉野にとっては、こんな風にまた本校舎にいた時のような関係に戻れた喜ばしさが勝るのだ。



『…というのもな。E組脱出は不可能になりつつある。今、会議室にA組が集まってる。』


進藤の声のトーンが一つ低くなる。どうやらE組に関係す真面目な話らしい。渚たちに携帯を指差して合図をし、皆に聞こえるようスピーカーをオンにした。

『特進クラスのあいつらが全員揃って自主勉強会を開いているんだ。こんなの初めて見る。
音頭をとる中心メンバーは、"五英傑"と呼ばれる椚ヶ丘(ウチ)が誇る天才たちだ。』


その声に反応し興味を示した他のクラスメートも、杉野たちの周りに集まった。進藤の言葉に緊張を示しつつ黙って耳を傾けている。


『中間テスト総合2位！他を圧倒するマスコミ志望の社会知識！放送部部長、荒木鉄平！！

総合3位！人文系コンクールを総ナメにした鋭利な詩人！生徒会書記、榊原蓮！！

総合5位！赤羽への雪辱に燃える暗記の鬼！
生物部部長、小山夏彦！！

総合6位！口の悪さとLA仕込みの語学力は追随者ナシ！生徒会議長、瀬尾智也！！』


「ちょ…ちょっと待て進藤。そのナレーションお前がやってんのか？」


というのに、電話越しに飛んできたのはやたらとテンションの高い"五英傑"の解説だった。しかも最後さらっと悪口混ぜてなかったか？
張り詰めていた糸が切れたように、皆呆れや引き気味の表情を見せる。


杉野が一旦落ち着かせようと進藤にそう尋ねると、進藤はこういうのを一回やってみたかったと少々照れながら答えた。

彼は空気づくりのためか大袈裟に一度咳払いをする。勿体ぶって、そして…と低い声で呟いた

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