【赤羽業】転校生の時間・3時間目【暗殺教室】

実行の時間�� ページ22

「カルマ！A！」

「はあー…っ、みんな無事でよかったあ…！」

「災難だったね。大丈夫？」

向かった滝近くには殆どのE組生徒がいた。けれど全員じゃない。

「俺たちはなんとか。けど、殺せんせーはシロとイトナに追い詰められてる。
殺せんせーが吸ってしまった水に、触手の動きを弱める成分が入っている…ってシロは言っていた。

なあ2人とも、…何があったか知ってるか？」

「磯貝の想像通りだと思うよ。この爆発を仕組んだのはあの2人。
俺たちが危険な目に遭えば殺せんせーは何があっても助けるからね。それを利用したんだ。」


殺せんせーの全身の触手はすっかり水を吸って膨らんでいる。
このまま先生が殺られるとは思えないが…置かれている状況が違いすぎて、目に見えて戦いづらそうにしている。


「それでも押されすぎな気がする。あの程度の水とハンデはなんとかなるんじゃ…？」

「水だけのせいじゃねえ。」

片岡の疑問に答えたのはいきなりやってきた寺坂だった。彼は殺せんせーの頭上を見るよう皆に指示する。
そこには、ここにいない助け上げた生徒ーー吉田と村松と、原がいた。

特に原は、寺坂曰く"ヘヴィでふとましい"せいで木から落ちそうになっている。
彼らの安全に気を配っているから、集中できない。
偶然ではなく、そこまでシロは織り込み済みだったのだと。


ーー思ってたよりは速かったなあ。コイツがここに来るの。

寺坂は確かにバカだ。だけどそれは短所だけじゃない。きっかけさえあれば自分をまっすぐ見つめられる、それはバカ正直に生きている奴の特権だ。



「呑気にんなこと言ってんじゃねえよ！原たちマジで危ないだろ、あれ！
もしかしてお前…今回のこと、全部あいつらに操られてたのか？」


「…ああ、そうさ。目的もビジョンもない短絡的な奴は、頭いい人間に操られる運命なんだ。

だがよ、操られる相手くらいは選びてえ。」


寺坂はこちらに歩み、拳でカルマの胸をドンッと叩いた。


「だからカルマ！テメーが俺を操ってみせろ。
あいつらはもう懲り懲りだ。賞金を取られるのだって納得いかねえ！
お前が俺に与えた作戦、完璧に実行してあいつらを助けてやらあ！」

彼の目には今までと違う何かが宿っていた。
目的もビジョンもない。自分ではそう言うが、少なくとも目的は今できたことに、コイツは気付いてるのだろうか。


「…いいけど、実行できんの？俺の作戦。死ぬかもよ。」

「やってやるよ。こちとら実績持ってる実行犯だぜ。」

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