【赤羽業】転校生の時間・3時間目【暗殺教室】

夏の時間�� ページ12

「えっ⁉律ちゃんがスマホに⁉⁉」

今日は真夏日。プール開きの日だからちょうどいいけれど、登下校の時は話が別だ。ただでさえ山道を歩くようなものなのに。

ありがたいけど恨めしい。そんなお天道様への複雑な気持ちは、校舎に到着して舞い降りたBIG NEWSにかき消された。


「そうさ。昨日伝えるのを忘れていたが、このクラスでは全員の携帯に律の端末をダウンロードしてある。
情報共有を円滑にするためにね。だから君にも…。」

「分かった！情報共有を円滑にするため、なら断る理由がないよね！お願いします！！」


メガネを光らせながら説明してくれる竹林の言葉に被せて、携帯を差し出す。しかしそれは受け取られなかった。
何故なら、何もせずとも画面に律が現れたから。


「おはようございます、Aさん！」


「おはよう！律ちゃん！…待って、早すぎない⁉」


「実は昨日から準備していました。私の方から勝手にダウンロードはできるので♪モバイルverの律です！」


さらっとこういうことを言う。外国のAIとか言っていたが、犯罪に利用されかねないだろう、コレ。

普通であればそう考えるところだ。しかし、桜井の頭は正常に機能していない。


「朝とか、律ちゃんに起こしてもらえるのかなあ…。うう…幸せ…幸せすぎて酸素が足りない…！！
ああああどーしよう竹林！」

「気持ちは大いに分かるよ。しかし僕らが倒れると律は悲しむ…。
ここはぐっとこらえて喜びを噛み締めよう。」

「は、はいっ！」


ビシッと敬礼したその瞬間、ドアが開いて渚と杉野が入ってきた。


2人ともかなり汗をかいている。いや、2人だけではない。

モバイル律のおかげで気になっていた暑さは吹っ飛んだものの、本当に涼しくなったわけじゃない。気づけば汗は垂れており、カバンに入れていたタオルで腕や顔を拭く。顔を上げると竹林の眼鏡は曇っていた。湿度まで高いのだ。

昨日から一気に環境が変わってしまった。


「うーん。プール開き、今日でよかったなあ。」

気温的なこともそうだが、転入してから始まったのはありがたい。
知らない人ばかりの所で水着を着て泳ぐのはなんだか抵抗がある。

今回与えられた猶予はたった1日だけで、まだ話せてない子もいる。だが、それでも気持ちはかなり違うのだ。


「あーA。ちょっと言いにくいんだけどな、E組(俺ら)にとってプールは地獄なんだ。」


ポツリと呟いた桜井に、聞き捨てならない言葉を投げかけたのは木村だ。

夏の時間�□�←桜井メモ��(&感謝)

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