弍拾漆 ページ27
「顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと、嬉しく思うよ」
竃門くんは呆然として頭が上がったままだ。
伊黒が間に割って入ってきたせいで竃門くんに注意することもできない。
すると不死川が竃門くんの頭を思い切り地面に押し付けた。
「お館様におかれましてもご壮健で何よりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」
不死川は竃門くんの顔を押し付けたままそう言った。
「ありがとう
「
「そうだね、驚かせてすまなかった。
炭治郎と禰豆子のことは私が容認してた、そして皆にも認めてほしいと思ってる」
お館様の言葉に
煉獄、伊黒、不死川、悲鳴嶼は反対の意を
甘露寺、時透は中立を示した。
そして、私と冨岡、胡蝶はなにも答えない。
「では、手紙を」
「はい」
白髪の童子は笑顔で懐から手紙を取り出すと「こちらの手紙は元柱である鱗滝左近次様から頂いたもので、一部抜粋して読み上げます」と読みだした。
"炭治郎が鬼の妹と共にあることをどうか御許しください。禰豆子は飢餓状態であっても人を喰わず、二年以上の歳月が経過致しました。
もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は、竃門炭治郎及び____
鱗滝左近次、冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します"
私は目を見開き、私とは対極に座る彼を見た。
聞いてない。
聞いていない。
そんなことは一切、聞いていない。
私の視線に気づかないはずはないのに、彼はこちらを一切見なかった。
「切腹するから何だと言うのか、何の保証にもなりはしません」
不死川の言葉も
「人を喰い殺せば取り返しがつかない!殺された人は戻らない!」
煉獄の言葉も
「人を襲わないという保証が、証明ができない。
ただ、人を襲うということも証明ができない」
お館様の言葉ですら、今は遠くに聞こえる。
私を置いて、話は進んでいく。
なぜ、彼は言ってくれなかった。なぜ私はそれを知らなかった。
「禰豆子のために三人の者の命が懸けられている。
これを否定するためには否定する側も、それ以上のものを差し出さなければならない」
顔を上げる。
穏やかな顔で話をするお館様を見る。
(私が絶対。義勇さんを死なせない)
422人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちごめ(プロフ) - とても面白いです!1つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい?」ではなく「〜だな!〜だろう!」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…!! (2020年11月21日 9時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません!煉獄さんは(名前)少女/少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません!いつも楽しみにしてます! (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません!頑張ります!ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね?これからがすごく楽しみです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あめ | 作成日時:2019年8月18日 9時