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俺の部屋を綺麗な方だと褒めてくれて。
ゆり組に感謝だなーと思いながら、彼氏について質問したらこれまたばっさりと彼氏はいない発言。まあ、いたらこんな大胆なこと出来ないよなーと納得。
ベッドに寝かせてくれるところまで手伝ってくれて。帰っていいよって言ったのに、俺が眠るまでここにいるって言い出して。
「なにそれ超かぁいい。勘違いしちゃいそう。
…俺だって男なのに、そういうこと言っちゃっていいの?」
「…最初に言ったじゃないですか。
貴方なら大丈夫な気がするからこうしてるんです。」
強がってばかりで、こうして体調を崩した時に誰かが隣にいてくれることなんてほとんどなかったから。隣にいてくれる優しさで既に温かくなった心が、そのあとの返答で変な音を立てた。
俺だから大丈夫なんて、勘違いするなって方が無理なわけで。
戻れなくなる前に、彼女に溺れてしまう前に、自分から切り離しにいった。
「…あのさ、俺、夜の男だよ?」
「なんとなく、気が付いてました。」
切り離しにいったはずなんだ。
大抵の昼間の人間はこう言えば嫌な顔をしたり、そうなんですねってちょっと返事が曖昧だったり。どことなく嫌悪感を示すものなんだけど。
嫌な顔をするどころか、俺が夜の人間だと分かった上で助けたと言い出した。
夜の人間だからというだけで避けられないことがどれほど嬉しいことか、彼女は想像もつかないだろうけど。たったそれだけのことでも、俺が彼女へ持っていた興味というものが別の感情にすっかり変わってしまうくらい、俺にとっては大きなことだった。
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作者名:しぅ | 作成日時:2021年5月10日 21時