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なにやら彼女にサプライズをする手筈をみんなで整えてくれていたらしく、メッセージアプリで手筈が共有されていた。それによるとこれから彼女はゆり組と買い物に行くらしい…っておい。俺ですらまだ2人で買い物なんて行ったことないのに…。


でも不機嫌ととらえられるのも癪なので。
なんでもない風を装って彼女に手を振った。



「……あ、これ羽織ってって。」



ふと思いつきで俺の着ていた上着を被せた。体格差があるので俺の上着にすっぽりと収まった彼女を見てだいぶ満足。翔太に呆れたような目で見られたのは気にしないことにする。





彼女とゆり組が出て行ってから数分。
入れ替わるように到着した照、阿部ちゃん、佐久間。



「おおー、すげー本物っぽい。」


「ぽいじゃなくて、本物なんだよ。」



照の手元には封筒。
中には彼女の異動に関することが記載されている。
今日、彼女には正式に異動してもらうことを発表するんだけど、その内容を通達する文書を照が作ってくれた。かなり手の込んだ書類に見えるけど…。



「大事なことだからな。
…っていうか、佐久間はともかくとして、ふっかはこれくらいの書類は作れるようになってもらわないと困るから。」


「…え。」


「当たり前だろ。
こういうのって基本的には社長から渡すもんなんだから。
小規模でやってこうとするなら、なおさら社長の仕事だぞ。」



パソコンスキルのある人からすると大した文書じゃなかったみたい。社長として企業を運営していくだけじゃなくて、こういう社会人としてのスキルもこれから身に着けていかないといけないって考えると、やっていけるのかなあって不安の方が大きくなっていく。





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作者名:しぅ | 作成日時:2021年5月10日 21時

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