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彼女のカラーリングまで終わると、舘様からなべにバトンタッチ。舘様が呼びに行っている間は彼女と2人きりで。
「似合ってんじゃん。かぁいい。」
「…そうでしょうか。」
俺好み、でも彼女に似合うようにと仕立て上げられた髪型と髪色。流石舘様。
ストレートに褒めたら彼女は少し顔を赤くして俯いた。…これは脈ありと捉えていいのかどうなのか。
「…怒ってる？」
「なんでですか。」
「勝手にこんなとこ連れて来て、意見も聞かずスタイリングしてもらっちゃったから。」
「…深澤さん、やってから後悔するタイプですよね。
別に嫌なら帰りますけど。
私、自分に何が似合ってるとか分からないし、自信もないので髪型も髪色も幼少期から特に変えてこなかっただけなので。…似合ってるって褒められたの、少し嬉しかったんですから。」
ふいと顔を背けてしまったけど。そんな可愛いこと言われて、俺はどう返すのが正解かわからなくて。
助け船を出そうと思ったのか、はたまた空気を読まなかっただけなのかわからないけれど、なべが入ってきてくれて助かった。
「リア充なら他所でやって。
入りずらいわ。」
「嬉しいなら素直に言ってよ、なべ。」
「あんま調子乗ってると追い出すぞ。
売り上げはどうなんだよ。」
「んまあ、ぼちぼちってとこかな。」
喧嘩腰に見えるけど、不器用なだけ。
普通に心配してくれてるんだよ、これでも。
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作者名：しぅ
| 作成日時：2021年5月10日 21時
