ひとりになりたくない魔法使いと手離したくない零お兄さん ver.５【名探偵コナン/降谷零 安室透】

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「殺さないだけちゃんとに加減はしてると思うんだ
殺人はいけない事だしね
けど人を痛めつけるとか私だってやりたくないし
間違って殺しちゃったら大変だし
殺しはしたくないけどそれでも許せない事って誰しもあると思うんだ」
降「…あ…あぁ…？」
風「…そう…だな…？」

何やらAから不穏なものを感じる

むしろ不穏な事を言っている気がする



「だからね」

そしてAはにっこり笑うと








「私は一切誰も傷つけずに
あの人達にとって本当に“怖いもの”
見せてあげただけだよ」


そう言った




『…』

思わず無言になる降谷と風見

何か背筋が寒くなった


…え？発狂する程の？



風「こ…“怖いもの”とは…？」
「さぁ？
人それぞれだよ」
降「…精神を崩壊させるような魔法もあるのか…？」
「あるけどそこまでしないさ」

あるのか

降谷と風見は思わず顔を引きつらせた



「それに精神を崩壊なんかさせちゃったら自分がどれだけ悪い事をしたのか反省させられなくなっちゃうしね」
『…(どうしようこの子意外とやり方えげつないぞ)』
「こっちは零お兄さん殺されかけたんだもん！
足りないくらいさ！」
『…(犯人達生ける屍状態なんだが)』

いい笑顔でそう言い切るAに何だか恐ろしい一面を見ている気がした

犯人達に対して容赦が無さ過ぎて驚いた









「…まぁ本当に零お兄さん殺されてたらあの場所一帯何も残らなかったかもしれないけど(ぼそっ)」
『…(何か聞こえた)』

この子恐らく怒らせたら本気でヤバいタイプの人間だ

まだ直に怒ったところは見た事は無いが今後それを目にする事が無ければいいと二人は若干願った






.







.








.








「何か久しぶりに家に帰る気がするなぁ」
降「一週間ぶりだからな」

病院を出て

降谷の運転する車の中




降「…そう言えば」

ちらりとAを見て降谷が話しかける



降「Aは…何故あの場所にいたんだ？」
「バイトが終わって携帯を見た後だったかな？
すごく嫌な予感がしたからだよ」
降「…“嫌な予感”？」
「うん そしたらルフも騒ぎ出して本気で大変な事が起きてるんだってわかったよ
それからルフに零お兄さんがいる場所まで連れていってもらったんだ」
降「…」
「？」

すると降谷が車のスピードを落とし

車を道端に停止させた

Aは不思議そうに降谷を見る







降「…わかるのか」
「え？」

目線をハンドルに向けたまま

降谷は重く声を出す

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