ひとりになりたくない魔法使いと手離したくない零お兄さん ver.５【名探偵コナン/降谷零 安室透】

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風「良がっだ…！！
良がっだなぁ…！！」
「裕也お兄さん泣き過ぎだよ…」

目を覚ましたAを見て号泣している風見

Aは困ったように笑いながら号泣する風見の頭を撫でている



降「(どっちが子供かわかったもんじゃないな…)」

そんな二人を見て苦笑している降谷


Aが目覚めてから二日後

昨日検査も済ませ今日で退院だ

五日も眠ってしまっていたせいで大分身体は弱ってしまっているようだが徐々に回復するだろうとの事

Aを迎えに来る際風見も仕事の合間を見て抜け出し今に至る



降「…それで風見
進捗は？」
風「…！
はい…！」

降谷の質問に風見はすぐに涙を拭き姿勢を正す



風「順調です
残党もほぼ逮捕する事が出来ましたし後は諸々の事後処理のみで…」
降「そうか」

降谷を襲った組織

その件はAが捕らえた犯人達が洗いざらい組織内部の情報を自白してくれたおかげで終わりを迎えようとしていた



風「それで…」
「？」

風見はAを見る



風「…事情聴取と言うわけでは無いんだが…
君は犯人達に一体何をしたんだ…？」
「…」

神妙な面持ちでそう聞く風見

それにAは目を瞬かせ何かを考えるような表情をした後

にこりと笑う



「普通に捕まえただけだよ」
降「絶対嘘だろ」

降谷も実際犯人達の様子を目にしたがその姿は尋常じゃない程憔悴しきっていた

全員目が死んでいた

そもそも犯人をやすやすと捕まえられる方が普通じゃないうえにその捕まえ方が氷の檻って何だもっと自重しろ魔法使い



「うーん…」

Aは困ったような表情をする



「私もあの時頭の中ごちゃごちゃしてたからなぁ…何か色々いっぱいだったし…」
風「…まぁ…降谷さんも酷い状態だったんだろうしな…」
「酷過ぎて零お兄さん見た瞬間久しぶりに我を忘れた気がするよ」
降「…何かすまん
…と言うか我を忘れる程って…怒りでか？
真面目に何したんだ一体…」
「…」

Aはその質問に少しだけ黙った後

口を開く



「…私全然怒らないねって人からよく言われるんだけどね」
降「…そう言えばAが怒ってるの見た事無いな」
風「…むしろ想像出来ませんね」
「その分本気で怒ると何するかわからないから怖いとも言われるんだよね」
『…え？』

Aから発された言葉に降谷と風見は揃って疑問そうな声を出した



「どんなに怒ってもね」

しかしAはそんな二人を気にせず言葉を続ける




「別に殺すわけじゃないのにね」

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