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降「…はぁ」

車を降り

駐車場からアパートまでの帰り道

ため息をついた



今日の昼間

背中に傷を負ってしまった

とある犯人を追っている最中だった

犯人の目の前に学校帰りらしい小学生が通りかかり

しかもその犯人はナイフを持っていて

振りかざされたナイフからその小学生を庇った時にザックリやられてしまった

…痛み止めで痛みは軽減されているにしろ少しの間動き回るような仕事は出来なさそうだ






“ほんの少しでも傷を負ったら
私を頼っておくれ
絶対に”





降「…」

Aに言われた言葉が思い浮かぶ

そう言われたが正直言いたくない

あまりその魔法を使わせてはいけない気がするからだ

何故かなんてその後に続いた言葉が理由だ




“…今の私の力だと
死に近い人を治して
…平気でいられる自信が無い”




それはAにとって

治癒魔法を使う事は

何らかの影響が出てしまうんじゃないかと…





降「…よし」

玄関の前に着き

少しだけ気合いを入れ直す

バレないようにしなくては…と








「お帰りなさい!」
降「ただいま」

家の中に入ると

Aがおたま片手に出迎えてきた



降「今日カレーか?
いい匂いがする」
「うん!
昨日テレビでカレー特集やってたから作ったんだ!」
降「そう言えばやってたな」
「今日はテレビの真似し…」
降「?」

いきなりAが言葉を止めた

何故か僕の後ろを凝視している

振り向くが何もいない

…え?何だ?何が見えてるんだ?





「…零お兄さん」

どうしたのかと聞こうとした時

Aに名前を呼ばれた






「何か私に言わないといけない事
無いかい?」

そう首を傾げてくるAに

どきりと心臓が鳴った




降「いや…無いぞ?」

しかしそれを態度に出さないようにこりと笑いかける

…いやさすがに怪我したとはわからないだろ透視が出来るなんて聞いた事無いし

…わからないはずだよな?



降「どうかしたか?」
「…ちょっとね!
まぁ零お兄さんが無いならいいんだ!」

そう笑うA

内心ホッとしながらAの横を通り部屋に足を進める

…ん?“ちょっとね”?





降「!」


Aの言葉に疑問を持った時

ぽわっと柔らかい光が視界の端に見えたと同時

背中に温かさのようなものを感じた



降「…え?」

振り向くと

Aがにこっと笑ってくる



「夕飯もう少し待っててね!
今スープ作ってるから!」
降「!あぁ…じゃあ先にシャワー浴びてくる」
「うん!」

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sou(プロフ) - 尊い♡♡ (2022年3月22日 23時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 毎回の裏話好きです♡こんなに素晴らしい作品書けるの才能!!!凄いです!! (2022年3月22日 23時) (レス) @page1 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
yukari20164(プロフ) - とても面白いです。皆さんなんでこんなに面白い小説書けるのかなあと思います。 (2019年12月23日 19時) (レス) id: 9829adedfb (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 零と睡蓮結ばれてほしいです。 (2019年10月3日 22時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。凄い面白くて素敵なお話です。一人称は読んでて違和感などなかったので変えても変えなくてもどちらでも良いと思います☆更新楽しみにしてます! (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクヤ | 作成日時:2018年12月14日 23時

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