ココロノヒトミ(6) ページ10
『《おにー......ちゃん.....》』
由美の、声も。
「《透さん？》」
駆けつけた、夏帆の声も。
彼の耳には、届いていなかった。
翔「《な、んで.........》」
宙の一端を見つめたまま、感情をなくしたその瞳。
少し前まで、由美に笑いかけていたその表情。
そして、【悲しい】【悔しい】といった感情。
全てのものが、一時的に。
彼の中から、消えてしまっていた。
「《透、さん！》」
耳元で叫ぶ夏帆の声に、ようやく我に帰り、瞬きをする透。
翔「《由美.......ごめんな.....》」
助けられなかった。
ぽつり、と漏らした謝罪の言葉。
『《お兄ちゃん、謝らないで》』
それを聞いた由美が、話し始める。
『《迷惑、かけたのは私。ただでさえ、迷惑かけてたのに、こんな身体になって。謝るのは私、だから。........いっそのこと、死んでしまえばよかった》』
感情のない声、淡々とした言葉の羅列。
「《ちょっ......》」
翔「《それは違う》」
口を開きかけた夏帆を遮り、透の声が病室に響く。
翔「《迷惑なんてかけられた覚えはないし、由美が迷惑なんて思ったことない。由美は、これまでもこれからも。俺の大切な妹だから。絶対に、死なせはしない。絶対に......生きたいって、思わせてやる》」
『《おにい、ちゃん.........》』
顔を綻ばせる由美。
その表情を見て、安堵のため息をつく透と夏帆。
『《ねぇ、わがまま言っていい？》』
翔「《どうした？》」
『《1日だけ、彼氏になって》』
命の、恩人だから。
翔「《理由が意味がわかんないけど....いいよ》」
笑みを交わす2人。
由美の頼んだジュースを買いに外に出て行く透。
『《“大切な妹”って言われて嬉しかったからとか、言えないし.....》』
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キル・ハーヴェイ(プロフ) - Ｋさん» Kさん、嬉しいコメントありがとうございます！！仰るとおりだと思います。人間として、当たり前にあるべき経験ですもんね。 (2018年10月9日 22時) (
レス) id: cd5e72b2de (このIDを非表示/違反報告)
Ｋ - まだ途中までしか読ませて貰っていませんが、引き込まれました。アイドルの恋愛に関して、私はアイドルも一人の人間ですから、それを許さない、認めないのは、ファンの我が儘だと思います。むしろ、素敵な恋愛が、アイドルとしても当人を輝かせてくれるのでは？ (2018年10月7日 12時) (レス) id: 309d514d03 (このIDを非表示/違反報告)
キル・ハーヴェイ - 碧さん» コメントありがとうございます、大野くん了解です！ (2018年8月30日 15時) (レス) id: 56c309afaf (このIDを非表示/違反報告)
キル・ハーヴェイ - ひかりさん» ひかりさんごめんなさい、コメント返信してませんでした汗 ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (レス) id: 56c309afaf (このIDを非表示/違反報告)
キル・ハーヴェイ - あちゃんさん» 続き読みたいってコメントちょー嬉しいです(*^o^*)大野くん了解なのです！ (2018年8月30日 15時) (レス) id: 56c309afaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キル・ハーヴェイ | 作成日時：2018年7月11日 23時
